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1992-04-30 ああ、憧れの剣山林道篇[6]
_ 06:00
夜半から降り始めた暴風雨は、今朝になってもやまず、ますますな事態。風は北向きにかわって、キャンプ地の下からゴーゴーと吹き上がってきている。運良く下に他の人のテントがあって、風をさえぎってくれているから助かるけど(笑)。
雨の切れ間をついて湯をわかし、とりあえず朝食。この天気で剣山に行くのは正気の沙汰じゃないので、あきらめることに。ゴメン(って、謝っても聞こえないってば)。どっちにしろ、この天気(豪雨、強風、濃霧)じゃ、キャンプ場から出られない。今日は連泊かなぁ。
_ 09:00
またシュラフにはいってうとうとしていたら(よく寝るな、こいつ)、まわりが騒がしい。何かと思って外を見ると、他の連中はバタバタと片付けはじめている! 風が強くなったから逃げるだとぉ? まぢかよー。
前のテントがなくなったとたん、ものすごい勢いで風が吹きつけはじめる。はらんだテントの片面が押し寄せて、テントの容積を半分以下に縮めてしまう勢い。ついでに、風圧に押されて雨が侵入(ゲゲ)。それでもウダウダしてたら(だって、外にでるの、面倒なんだもんー)、とうとうテントが飛んでしまった(わはははっ)……で〜っ、笑いごとじゃねーぞー。
斜面の上でゴロゴロと転げまわるテントの中、上も下もわからん状況の中でダッシュで片付け、こちらも退散。いったん行動が決まると、やることは早いぞ! 最初に片付けはじめたヤツと同じ時間に脱出に成功。もー、何が何やらわけわからん状態。死むー。
_ 10:00
濃霧の中、10km/hくらいで東へ。風があたると、道の反対側まで飛ばれる始末。どひー。が、天狗高原をちょっと下ると、霧も晴れて、雨もやむ。それどころか、時々晴れ間が! ガッデームっ。あの苦労は何だったんだ? 道には四国名物(?)巨大ミミズがうようよと出現している。ヘビと見まごうばかりのあの太さはなんじゃろね。あのピチピチしたヤツを、カラスがさも嬉しそう(?)にくわえていく様子は、けっこう「おぇ」である。
とりあえず剣山は時間的にも無理になったし、風だけはやまないしで、やっぱりあきらめよう(ごめんよぅ)。R439を南下、四万十川をゆるゆる下ることにする。途中で生存証明の電話を家にいれる。あー、生きてるってすばらしい(笑)。
_ 11:00
R439→R197→県道と、四万十川には川沿いにすべて道がついている。交通量は相変わらずゼロに等しいので(なんでこんなに人口密度が少ないの……)、30〜40km/hで川を眺めながらゆるゆると下る。まさしくCubなペース。リラックス。途中で小さな川を集めながら、四万十はどんどん太くなる。噂にきいてきた「栗で作った焼酎」を探してみるが、見つからない。もっと上流なのかしらん? しかし、日が出てないと寒いね。カッパが脱げない……。
_ 13:00
窪川町のボロい食堂で、遅い昼食。駅で会ったDR200R氏と同席する。Cubを改造してからというもの、めざといライダーは向こうから寄ってきます(笑)。まー、見た目はノーマルなんだけどね。良く見るとスペシャルになってるってあたりが上品。
その後、R381を西へ。四万十はかなり立派な川になった。大正町をすぎたあたりから、オフローダーとよくすれちがうようになる。そっか、ブルーアイランドとかいうエンデューロやってるんだっけ(←よく知らない)。ピースを送って応援する(笑)。こういう連休の過ごし方もいいかもね。でも、コンペって性に合わんところがあるしなぁ……って、Cubじゃハナから問題になんないけどさ。
カヌーで川下りをする姿も目につきはじめて、ますます四万十な風景になってゆく。アレもいいよなぁ。やってみたいな。
_ 15:30
西土佐村山村ヘルスセンター。ちょっと下でキャンプができる上に、ここでは¥250でお風呂に入れるのだ(モロにカヌーイスト向けの施設なんだけど)。尼ヶ崎からきたゴリラ氏(うう、同類だ……)をひっかけて、いっしょに入浴。あー、極楽、極楽。今年28歳になるといったら信じてもらえなくて、ちょっとイイ気分である(笑)。ゴリラ氏は20歳。体格がいいので、ゴリラに乗る姿は熊の曲芸である(ありがち)。「変なバイクで旅する同類だねぇ」といったら、「ぼくは林道なんて入りませんよ」だって。がーん(笑)。帰りに、名古屋からきたマウンテンバイク小僧も引っかけて、一緒にキャンプ。ワンカップでささやかな宴会である。
しかし風がやまない。雨も時折。今夜にはおさまるハズだが……テントがもつかどうか不安。切れねーだろーうなぁ。とりあえず、今日は向きがよいので、浸水はないと思うけど(また風向きが変わったりしたらアウト……)。
1992-04-29 ああ、憧れの剣山林道篇[5]
_ 06:00
だー、うるさい! 枕元で騒ぐんじゃなーーいっ!>ウズラの夫婦。耳をすますまでもなく、周囲は鳥の声で満ちている。ざっと数えてみただけで、6種類もいる(でも、カラスとウグイスしか聞き分けられないでやんの(笑)。バードウォッチングでもはじめるかな)。野性の小鳥の声で目を覚ますというのは、都会生活者には体験できない幸せな状況だけど、こう多いとうるさいぞ。サクサク支度して、7:30に出発。今日は西へ。
_ 09:00
R192に出て、R32を南下、観光ポイント「大歩危渓谷」。観光地だし、別に通る気はなかったんだが……読みが「オオボケ」だしね。なんか、ぴったりじゃん(自虐だなー)。しかし、林道沿いの渓谷を見なれてると、ぜんぜんたいしたことねーよなぁ。やっぱ、いわゆる観光地というのは国道か主要道沿いにあるところに限られるんだよね。土産物屋やメシ屋が開けないような林道沿いには、もっとイイ景色があるけど、そういう知られざるところは我々林道族のものなのだ。ひっひっひ。
北海道から帰省中というZZ-R1100氏と雑談したあと、大歩危を西にはずれて、浦の谷林道へ。上りがほとんど鋪路済みで、またまた下りがダートという最近お決まりのパターン(シクシク)。でも、けっこう走りやすくてグーな感じ。やっと身体が林道になじんできた。
走ってて気づいたけど、トライアルをはじめたのがいい結果を出してる。細い丸太なんかが道に横たわってる時、以前ならフロントを「ガッツン!」ってあててバランス崩しながらヒーヒーいって越えたもんだけど、いまなら手前でちょいっとフロントを持ち上げて、するっと越えられる。この「ちょいっとフロントを持ち上げ」っての、TLMじゃいまだにできないくせに、Cubだとできるんだよね(笑)。しょーもない。
_ 11:00
ふたたびR439をずんずん西へ。土佐町で買物をしたあとは、根木石林道へ向かう。林道手前の県道、小さいコーナーの続く狭い道で、Cubの独壇場。前方に地元のメイトを発見、勝負を挑むが、お、追いつけない! くそー、突っ込みで勝てないということは、あのオヤヂ、このあたりのコーナーを知りつくしてやがるな(笑)。
根木石林道は、入り口からイキナリのダートで、ブイブイ上る。うれC〜。道もけっこう良くて、グーだぞ。
_ 12:00
R194に出たあとは、北上して奥南川林道へ。「弘沢林道とつなぐと32kmのダート区間」だ!(地図のまんま) ここもフラットでかたく、良い道。ダムまで一気。
どーでもいいけど、腹減った……。昼前後に林道に入っちゃうと、メシ屋に入れないから困るよね。まー、走ってる間はぜんぜん気にならないんだよね(笑)。だいたい、胃が揺すぶられるから、食欲失せるし。このまま1日中林道を走ってれば、がんがんダイエットできるぞ(死んじゃうって)。
ダムまであがって、ひと休みしながらパンをひとかじり(うう、ひもじい……)。ここはダム湖を周回するかのよーに林道があって、5本の林道が接続しあっているとゆー、まさに林道天国的な状況。今回はちょいガマンして、弘沢林道で下ることに。これも良い道ですね。峠からは石槌山などなどが一望。うむ。けっこうなお点前でした>このへんの林道
_ 15:00
さて、こっから予定を立ててない……(をい)。明日、剣山のファガスの森でPC-VANの仲間と落ち合う約束だから、それに間にあう程度に西へ行くとするか。よーし、四国カルスト見に行くぞ。
R439→R33→R440。例によって狭い道、きついコーナーで、エンジンをボコボコいわせてるとろいフェアレディZをあおりまくり(笑)。Cubはこういうことろでこそ、快調〜。
_ 16:30
通常のルートは避けて、途中から天狗高原に接続する猪伏林道へ。通行量が少ないのか、手入れがゆきとどいていないのか、わだちは少ないが石がいっぱい。勾配もきつくて、パワーがないから、ちっともあがらん。お尻ふりふりしながら上る。でも、ながめはいいぞ。路面がけっこう面白くて、下の方は茶色の普通のガレキが敷き詰めてあるんだけど、上っていくにつれて白い石灰岩が混じりはじめ、頂上付近では道がまっ白になる。で、天狗高原に上りきると、みごとな四国カルスト。青々とした草原に顔を見せる無数の石灰岩は、まさに「羊の群れ」。うーん、すげーぜ。
尾根づたいに西へいった姫鶴平のキャンプ場はライダーでいっぱい。うれCねぇ。やっと賑やかにやれるわい。で、さっそく何人かのメンバーをつのって、お湯の出る公衆トイレ(なんでこんなものが……)で、「3日ぶりだぜ、大洗髪大会!(笑)」。お湯をためて流し場を風呂にしちゃお〜とかいう声まであがったが、さすがに無茶(笑)。でも、酔ってたらやっちゃったかもなー。集団は恐ろしいなぁ。
夜はひとつのテントに6人も集まって、明日のルートはどうのこうの、とか、あそこのキャンプ場はどうだったのと、情報交換。ラジオの入りが悪いけど、「西日本は大荒れ」とか、「150mmの雨量」とか、ロクでもない情報だけは切れ切れに入ってくる。次第に強くなる風が南斜面をかけあがってくる。キャンプ地は北斜面だから、あまり風を受けないけど。霧も出てきた。で、戦々恐々としながら床につくことに。明日は、剣山に行かなくちゃなんないんだよなー……ぅぅ。
1992-04-28 ああ、憧れの剣山林道篇[4]
_ 07:30
昨夜はひと雨降ったみたいやな。ま、夜のうちの雨なんて、どーでもよろし。今日も快晴。風邪も治ったみたいやし、Let's Go!!や。あ……なんか関西弁モディがついてるな……。関西弁好きだから、こっちにくると関西弁モードに入っちゃうんだよなぁ。
_ 09:30
南下してR193に入る。美郷村のR193は10%を軽く越す急坂でヒーヒー。こんな国道ありか? 途中でR439を西へ。オイシイものは後にとっておくというセオリーにのっとって、今回の目的である剣山スーパー林道はあえて避ける。
……が、木屋平村で路肩決壊のため通行止め。あ〜〜ん、あと2kmで大合実平林道が口あけて待ってるとゆーのに〜。剣山が呼んでいるのか?(笑) 仕方がないので、穴吹町方面への県道で迂回することにしよ。
_ 11:00
ええかげん腹減った……。
途中から一宇村に抜ける道があるように見えるんだよね(アテにならない勘とゆーやつ)。これが抜けられれば、迂回路がかなり短くできる。で、1速でもヒーヒーな道をズンズンあがる。途中から未鋪装になって、ラッキー。予定外の林道に入れた!……が、剪宇峠手前でチョンっと道が切れる。が〜ん。しばし呆然。まー、谷の名前が「北又」だし。紀伊半島の北又林道でのことを考えれば、この名前は避けるべきだと気づくべきだったよね。とほほ。
道の終点ちょっと手前の、大蛇発見を記念(?)する祠でひと休み。長さ10メートル、胴まわり1メートルだと。ひぇ。あまりお目にかかりたくないねぇ。でも、ネッシー、雪男と並べて「世界3大怪獣」を名乗るには、身贔屓のしすぎ(笑)。こんな人里離れたとことにあって、この碑文、誰が読むのやら。なんか、貴重な発見をしてしまったぜい。
しかし、思えばスーパー林道を避けたがゆえのおおボケ続き。ガキの頃、剣山登山にやってきて、山小屋で食べたゆで卵でジンマシンを出して以来、剣山とは相性が悪いのだろうか? 結局、端山に抜ける県道で迂回を完了。
_ 13:00
途中のうらびれたウドン屋で、遅いメシ。なんか、ここんとこ昼メシが貧弱だぞ。まともな栄養取れるのは昼メシしかないんだから。朝はパンだし、夜はレトルト食品だし。
ひと息ついて、今度こそ!の白井林道へ。細い鋪装路を延々と上って、小島峠までついてしまう。ズガーン。全鋪装?……と思ったら、下りの途中からダート開始。いやー、下りは嫌いよぉ。わだちが深い急坂だし、くそー、やっぱ何か変だ〜。調子狂ってるぞ。
_ 15:00
R439に出て、立て続けに深渕落合林道へ。観光名所「かずら橋」はガキの頃に見たからパス。途中、「落合へ」との看板に従って上りはじめたら、途中でチョン。またもやズガーン。1本手前の道だったのかー、これ(でも県道なんだぜ)。山の上の方の数件の農家のための道らしい。信じらんねーよな。間違えたことに気づくまで、枝道を3本もアタックしてしまう。どれも撃沈。なんでこんな山の上でまで農業をやらんといかんのやろか?
正しい深渕落合林道は、これもえらい急坂を延々と上る。「これも全鋪装か!?」と思ったら、ええかげん飽きた頃にダートに。けっこう整備がゆきとどいていて、走りやすい(急坂だけど)。落合峠で一服。ここから振り返った南斜面の景色はスゴイ! まさに雄大な自然ってヤツ。周囲の山々が高いからかも。うーん、さいこー。飽きないぞぉ。
_ 17:00
下りのはじめは道が悪くて四苦八苦。しっかし、対向車は2台の車のみ。バイクはどこへいったんだ。ラストの方はフラットでかたく、けっこうとばせる。鋪装路になってもズンズン走ってたら、勢い余って浅敷峠まで出てしまう。あれ? 深渕キャンプ場を過ぎちゃった? あそこで泊まるつもりなのに。
たかだか数km行きすぎただけなのでもどってみたが、ほとんど廃屋寸前のバンガローのみ。夏でもあいてるかどうか疑問符な感じ。またもや水なしというのもヤなので、浅敷峠から風呂塔へ、町営のキャンプ場で泊。あいかわらずシーズンオフなので、管理人はナシ。で、他のキャンパーもゼロ。また一人ぽっち? もー、人恋しいようん。
キャンプ場は水アリ、水洗(!)トイレあり、で小さいけれど上等な部類。ただし、サイトの整地がなってないあたりで、ポインツさげてるぞ>三加茂町。