SUPERCUB Tourists! 〜 カブに乗って旅に出よう!

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1992-05-03 ああ、憧れの剣山林道篇[9]

_ 07:30

昨日の道を逆にたどって、剣山を目指す。途中の国道で正面衝突とかしてる車とかあって、渋滞。朝っぱらからムッ。狭い道でとばすからや(人のこといえんでー)。

_ 08:00

いよいよ憧れのスーパー林道。入り口でしばしCubを止め、胸に手をあて、「じ〜ん……」。感慨にひたる(笑)。あー、緊張する。

路面はムチャクチャ良くて、拍子抜けするするくらい。なんたって、昨日の張川林道よりイイもんねぇ。でも、クソっ寒くて身体ガチガチだし、だいたい三半規管がまだ目覚めていないので、ゆっくり上る。

15kmほどのところにあるレストハウスで一服。広島のセロー氏と雑談。荷物の座りが悪くて、とボヤいている。Cubの巨大キャリアを羨ましそうにみないよーにね(笑)。セローにはつかんよ。

35km地点、見てはいけないものを目撃。ZXR400とすれちがってしまった……。それもなかり飛ばしている。げー、いくら道がいいからといって、4stレプリカで入ってくるなんて正気の沙汰じゃねーぞ! あー、夢に出そう。

景色はgood。青々とした針葉樹林あり、ねじまがった枯れ枝の木々で埋まるの幽谷あり、まだ芽も出そろってない広葉樹の林あり。風景がクルクル変わるので、飽きない。山腹沿いの道は、あくまでもフラット。

45km地点、風の広場というところで休憩。島根のTS125R氏と談笑。そばでやかましく遊んでいた4駆集団のパジェロがスタックしてる。無茶するからや、タコ。

身体も暖まってきて、ガンガン飛ばせるようになる。テール、ズルズル、ひゃっほう。すれちがうバイクも続々と増えて、ピースの嵐。けど、車も多くてかなわんわ、こりゃ。

_ 10:30

ファガスの森。ここかー、待ち合わせることになってたのは。30日にはちゃんと来たのだろうか? けっこう立派でびっくり。ウドンがあったので、早い昼食。しかし、Cubが駐車場に入ってきたときの他のライダーたち(いっぱいいた)の反応は笑えるなぁ。「ををっ」てな感じで、全員振り返るしね。XR600あたりが入ってきても見向きもされないので、こういう時は優越感である。ああっ、見られるって、いいっ(へ、変態……)。

R193で分断されたあとは後半戦に突入! もー、調子でちゃって、2速40km/hでビービーいわせちゃう。速いぞ!

峠からの下りは、やや荒れ。勾配もきつくなって、ペースダウン。スーパーがとれて、普通の林道風になっちゃったな(なんだそりゃ)。しかし、けっこうONのマシンが入ってきてるぞぉ。さっき、ブロスとすれちがったし……。

_ 12:00

祝、完奏!(イカ天かっての) いやー、80km、ジャスト4時間。堂々のゴールインでしたねー。んんー、感動です。質的には、道がよすぎて手ごたえに欠ける感がありますが(ぜーたく?)、景色はいいし、なんといっても連続80kmの意味する「量」は、「超大盛りラーメン、30分で食べたら代金サービス!」的迫力があります(相変わらずわけわからん例え……)。あー、でも嬉しい。夢にまで見た剣山を走れたなんて(オオゲサなヤツ)。

_ 14:00

小松島に寄って、フェリーの時間を見てから、ふたたび徳島の実家へ。今日中に和歌山に渡っちゃうのも手だけど、ノンビリしていこう。布団で寝られて風呂にも入れる数少ないチャンスじゃけん(笑)。で、明日は早めに出て、フェリーを2本とも渡りたい、と。できるかなー?

実家についてから、Cubの点検をした。……しなければよかったと思った(笑)。内訳は、

  • ステアリングヘッド……ガタガタ。
  • 左ステップ……サイドスタンド含め、左回りに20゜回転。
  • スポーク……楽器になるくらい、多彩な音色を楽しめる(笑)。
  • チェーン……これ以上伸ばせない。
  • リアキャリア……4本の支持ボルト中、1本行方不明。

とりあえず、チェーンはできるだけ張って、タイヤの空気圧を鋪装路向けにUP、あとは野となれ山となれ。もー知らんわ。ま、生きて帰れるやろ、なにせ、Cubだし。この「Cubだし」っての、すごく説得力あるのであります(笑)。


1992-05-02 ああ、憧れの剣山林道篇[8]

_ 07:30

となりのテントだったアルティシア氏、起きてみると、テントのわきに正座して朝食をとってあらせられる。変なヤツだと思ってたけど、ホントに変なヤツ(笑)。昨夜の夢は、絶滅寸前のナディア(笑)が珊瑚礁の浜辺で拾われて、日本人親子に育てられるとゆー、「不思議の海のナディア」と「遠い海から来たCOO」が合体したストーリー。シュールな上に、ヲタクだなぁ(とほほ)。

_ 08:30

今日はガンガン東へいくぞ。一路、高知市へ!……とゆーことで、R197経由でR56に出ようと思ったら、いつのまにか四万十川を下っているとゆー。ま、ええか(ええかげーん)。このまま窪川からR56に入ろう。うすく雲がかかっていて、ごっつ寒い。ええかげんついでに、スーダラ節を唄いながら走る。

_ 10:00

R56は快調。途中、DT50のおっさんライダーとしばらく並走するが、このおっさん、超下手クソなうえに、すっげー足が短い(をい)。DT50でさえ、爪先がツンツンだし。怖いから離れて走ろっと……。

高知市内で渋滞にもまれるのもヤだし、一刻も早く太平洋を拝みたいので、途中でてきとーに右折。が、田舎道に迷い込んで、なかなか海にたどりつけない。あー、こら。曲るなっ>そこの道

_ 11:00

桂浜。アイスクリンを食べながら、坂本龍馬と並んで海を見る。続いて昼食にカツヲのたたき定食(うめぇなぁ、本場モンは)。をを、なんか観光してるし。ただし、闘犬見物はパス。あとは、海沿いを安芸へ。アイスクリンの看板、「1+1=1」は謎である(どーゆー意味だ?)。

_ 13:00

安芸から折れて、張川林道へ。ずばり、剣山へのアプローチでしょう。でも、ただのアプローチ用の林道だと思ったら大間違いで、すばらしく良い道なのだ。飛ばし屋のためにあるような、フラットでゆるい坂。いけ〜〜っ! ラストの上りにかかると、やや小石が多くなるが、どこまでも走りやすい。途中で休んでいたセロー氏と雑談。剣山から来たとのこと。「(剣山は)ここよりイイ道ですよ」とのこと。ほほー。

張川を出ると、ほぼ全鋪装の伊尾木林道へ。なぁに、すぐに次の東川千本谷林道や……と思ってたのに、どこまで〜も下る。途中ですれちがった車に道を聞かれる。「この先はどこに着く?」「安芸ですよ」「徳島に行けるんとちゃうの?」「徳島はぼくの向かってる方向ですが?」。

で、また下る。どんどん下る。なんか、下りすぎてるよーな気が……。あれ? 北上してるハズなのに、なんで太陽が右手にあるの?(笑) ずがーん、さっきの車に大嘘こいちゃったじゃないかー。安芸に向かってんのはこっちの方だ。また安芸にもどるところだった〜。げー、30分もロスった。今日中に剣山に入るのはもはや不可能……。

_ 15:30

あわてて引き返して、やっと東川千本谷林道へ。早く抜けないと、遅くなるぅ……とゆー時に限って、ひっでー道だし。小石ゴロゴロで急勾配。もー、張川林道を見習えよっ。

ヒーヒーいいながら峠についたのが16:00。振り返った眺め、実にヨシ。小股の切れ上がったV字谷である(なんだそりゃー)。後ろから追いかけてきた爆音XR250を先に行かせてから、トンネルを抜けて下りへ。どんどん小石が少なくなって、最後には張川なみの良い道に。最初からこーせぃ!

しかし、コイツは長かった。R195まで、びっちりダートで、鋪装路のアプローチなし。これだけは褒めたる(笑)。

_ 17:00

剣山に後ろ髪をひかれつつ、R195を東へ。途中で右に入って美那川キャンプ上へ。なんかえらく立派なキャンプ場で、¥1050もとられる。まー、風呂つきだし、いいか……と思ったら岩風呂は別料金(¥350)だって。ケチ! ボッタクリ! GW真っ只中ということで家族連れが多く、賑やか。でも、一人でバイクってのは自分だけ。寂しいなぁ。

ま、それでも岩風呂に入ってさっぱり。あー、極楽。風呂の中で、夫婦できてるという新婚ほやほやの兄ちゃんや、はじめて娘をキャンプに連れてきた元ボーイスカウトのおっさんなんかと話をする。なんかいいよね、こーゆーの。

さー、明日はいよいよ、メインイベント。待ってましたの剣山だ! ひゃっほう!


1992-05-01 ああ、憧れの剣山林道篇[7]

_ 07:30

あれから妙に明るい関西弁をしゃべくる、静岡出身の(笑)DR250SH氏も合流、楽しくもりあぎゃる。風もやんで星も出て、ぐっすり眠れた。ただし、疲れているのか、けっこう夢を見る。今日の最高傑作は、車田正美が少年ジャンプで「オズの魔法使い」を連載しているのを読んでいるという夢。毎回、ドロシーやカカシが必殺技で悪い魔法使いを倒す(とうぜん見開き、墨汁飛び散り)んだけど、翌週にはかならずもっと悪い魔法使いが現れているとゆー。はっきりいって面白かったので、実現してください>集英社

さて、今日は、「東が剣山なら、西は黒尊」。国道を、四万十沿いに南下する。

_ 08:30

黒尊スーパー林道なんて、名前がカッコええし。なんか、巨大化して変形合体してくれそうだよね(どーゆ林道じゃ、それ)。しかし、アプローチが長すぎ。30分以上も上って、やっとダートに。地図には固くしまった砂地とあるが、そうでもない。小石少々の道だ。まぁまぁってとこか。勾配はさほどなく、ブイブイと上る。

峠を越えると、眼前にドドーンと海。宇和島周辺が一望。うひょー、これは満点をあげやう。見晴らしの良いところで一服。下りは地図に書かれてるほど荒れてないよな。こちらも快調。林道ライダー、さすがに多く、次々とすれちがうのでピースの嵐。あーっ、女の子ばっかりの集団とかいるんだ〜。お知り合いになりたいぞ(笑)。ただ、下りは短くてチョン。地図にあるより、鋪装がのびてる。出口で休んでいたXLR氏と雑談。林道があまりに多すぎて、全部まわっていられないというぜいたくな愚痴をこぼし合う。

_ 11:00

宇和島市内のスーパーで買い出し。もはやコンビニを探す努力はあきらめた。きっと県庁所在地にしかないんだ……(ほんとにそうかも)。スーパーを探すために市内に迷い込んだけど、ちゃんと迷わずに国道に戻れた。えらーいっ。

_ 12:00

R56を県道にはずれて、山財ダムを目指す。行く手には御ノ川林道。地図は石がゴロゴロって書いてあるけど、入り口近くはフラットで良い道。「いいじゃーん」なんていってたら、どんどん、どんどん悪路と化す。小石にフロントとられて貰い水……じゃなかった、派手に転倒。今回初。目の前ガケっぷち。ひー。ま、怪我はないし。Cubは……げげー、左のステップが「ねじれ」てるじゃねーか。これはこの場じゃ直せない。サイドスタンド、使用不能に。とほほ。

途中の眺めがいいところで、パンとジュースで昼食(今日はちゃんと買っておいたノダ)。他に誰も通らないから、すっげー静か。鳥と虫の声だけが聴こえている。幸せの極地。山桜がまだ満開で、花見な気分も。マイナーな林道って、好きだなぁ。交通量の少ない林道は、道のまん中にヘビが日向ぼっこしてたりするんだよね。気づいた時は遅くて、よけたつもりでも尻尾の方をちょっと踏んじゃったりして。「あ、ごめーん」とか(ヘビに謝ってどーする)。

1回転ぶと、ちょっとビビるようになる。1速でゆっくりゆっくり上る。「まるで廃道だなぁ」と思うころ、ポッカリと黒尊に出る。西には宇和島の海。意外と上の方に出ちまったなぁ、と思ったら、走るつもりだったのはこの道じゃなくて、その下の大峠林道じゃん。アホ。

黒尊を下ったあと、行きに渡りそびれた沈下橋を渡ってみる。んー、視点がふつーの橋よか低いから、山並みに迫力があるんだなぁ。カヌーで下ってるともっと迫力あるだろな。ふ、と目を下に向けると、たもとに1匹(?)の鯉のぼりがつながれる……なんか、「気持ちよさそうに四万十川を泳ぐ鯉のぼり」って、シュールすぎ……。どういう意味があるんだ、こりゃ。

次にどこへ行くか、すげー迷う。そろそろ東に戻っておかないと、剣山に行けないし。うーん、泣く泣く、藤の川〜掃除谷〜堂ヶ森林道はあきらめるか……。よし、目標、15:00に中津川林道!

_ 15:00

昨日の逆を通り、途中からR439。疲れが出てるのか反応が鈍くなっちゃってて、R381で、急ブレーキした前の車(スカイライン?)に軽く(ちょこっと)追突してしまう。中からグラサンかけた怖そうなおっちゃんが出てきたときには「あー、もうダメだ〜。ヤクザにぶつけちまった〜」って思ったけど、「大丈夫か?」「だ、大丈夫です」「気ぃつけぇよ」で終って、ホッ。人相悪い人はグラサンかけないでほしー。ともあれ、気を引き締めていかなくては。おっし。

ホントに15:00ちょうどに、中津川林道へのアプローチ開始。中津川林道はすごく良い道。疲れてなければブンブン飛ばすところ。長い上り(10km以上?)もグー。

_ 16:00

春分峠。なんや、ロマンチックな名前の峠やなぁ。けっこうイイじゃん……と思ってたら、開通式が春分の日だったからだったという説明の看板が。うう、夢を奪わんといてほしいわ。

続く森ヶ内林道も良い道で、ストレスなくスイスイ下れる。でも、短〜い(ぶー)。

_ 17:00

松葉川温泉の手前にあるキャンプ場で宿泊。あとから何人もライダーが来る。でも、今日はあんまし面白いヤツがおらんなぁ。下手クソなアルティシア氏のとなりにテントを張って、早々に寝てしまうことにする。テント張ってる時に、毒々しい色のムカデに這い上がられてきて、パニック。だぁ〜、をれはなー、足が100本もあるよーな節操のない生き物は嫌いなんだよー(泣)。まったく、四国はなんでもいる。

今日は疲れたわ、ほんま。