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2001-05-27 伊豆半島ミステリーツアー[2] 熱川〜謎の峠

_ 便宜上、別の日付になっていますが、同じ日の続きです。

_ 12:00 熱川

どこでメシにするか悩んだが、コンビニでおにぎりを買って林道で食べることにする。せっかく山に入るんだし、その方がおいしい。熱川のコンビニで買い物をして、その先の白田温泉を内陸へ。白田林道を目指す。

……で、白田川沿いを遡上する道に入ったものの、気がつくと地図にないトンネルをくぐり、どんどん下りに。いきなり本領発揮かよ。本領ってなんの? 方向音痴の。

慌てて戻って、川沿いの道に復帰。順調に上ると、舗装とダートが交互に現れるようになる。あるヘアピンを曲がると、とつぜん目の前に猫が横切る。しっぽの先が曲がったトラ猫。これが黒猫だったら不吉なものを感じたかもしれない。民家からかなり離れているにもかかわらず、明らかに飼い猫(か、元飼い猫)と思われる緊張感のなさ。なんでこんなとこにいるんだろう。野犬ならぬ野猫?

そのあとはすぐにほとんどダートになって、ひさびさの林道ツーリング開始。一年以上ブランクがあると、さすがに動きが悪い。道は良くもなく悪くもなく。ふつーの日本的な林道である。

しばらく走ると、三叉路に。右手はチェーンで通行止め。左手には林道が続いている。ここで地図1を参照。

地図1今日のルート(予定)

計画では、白田林道から上佐ヶ野林道を抜けて、R414に入るつもりだった。そうすれば、ちょっと北上するだけで宿に入れる。となると、この分岐は右が奈良本林道、左が上佐ヶ野林道だろう。でも、左の方には「振越林道」って書いてあるんだけど……。

いずれにしても選択肢はないので、左へ。振越林道とやらはあっと言う間に終わって、すぐに舗装路に。左右の展望が開けて、まわりは起伏のある草原の趣き。なんじゃこら。ここはどこだ。

_ 13:00 三筋山

右手には「三筋山」への遊歩道の案内。手持ちの地図にそんな山はないが、案内板の稲取GCの位置からして、この道は稲取に出てしまう道のようだ。地図上ではつながっていないが、白田林道と振越林道でつながっているということか。つまり、さっきの通行止めは白田林道の途中で、上佐ヶ野林道には出られないということだ。

とりあえずメシでも食おうということになって、三筋山へのアプローチを上る。すごい急勾配だけど、いちおう舗装路。遊歩道の開始点に駐車場があったので、そこでおにぎりを食べる。Kentさんはさっきの林道でお茶を落としたもよう。おにぎりまで落とさなくてよかったね。

三筋山を望む食事をとった駐車場。後ろは三筋山

さて、このまま進んだらまた海岸に出てしまう。なんとか上佐ヶ野林道に出られないものか。三筋山周辺をよく見ると、北に向かって山腹を取り巻くような道が見える。いま上ってきた道の先だ。この道はここで終わってなくて、山の向こうに続いている!! そして、向こう側には上佐ヶ野林道があるはず。

地図2振越林道と三筋山を取り巻く謎の道

となれば、行ってみるしかないでしょう(笑)。期待に胸ふくらませて走り出したが、舗装はすぐに途切れてバイク一台がやっと通れる程度の荒れた道に。それでも行けるところまで行ってみようということに。Kentさんには「引き返せなくなるかもよ」と脅しをかけたが、ま、引き返せないってことはないでしょう、二人もいれば。

道は、険しいところを抜けるとしばらく走りやすいフラットなダートが続いたりして、常に「もうちょっと先まで行ってみよう」と思わせ続ける憎い演出。無理に進み続けて引き返せなくなる、冬山登山の遭難パターンとも言う。

ここはどこじゃ?そうは言っても、この状況はなかなか寂しいものがある……(撮影:Kent)

そうこうするうち、「八丁池まで9km」という道標が出現。続いて、丸太で作った階段が。ああっ、ここは林道じゃない、登山道ですよ(笑)。三筋山と八丁池を結ぶ尾根沿いの道に違いない。こんなところを走っていたら犯罪だ。でも、一般道を走っていたらいつの間にか入り込んでいたんだからしかたがない(ということにしておく)。ともあれ、早く脱出しよう。考えられるルートは二つ。この先の峠から東に下りて振越林道に戻る道(1)。もうひとつは尾根をたどって交差するはずの下佐ヶ野林道に出る道(2)。とりあえず峠まで行って考えることに。

地図3想定される脱出ルート二つ

登山道だけあって勾配はキツく、両足を踏ん張ってカブを持ち上げながら進むことも多い。丸太の階段があるところではルート選びも大変だ。林道丸はブロックタイヤだからいいものの、Kent号はミシュランとは言えオンロードタイプなので大変だ。二人ともすぐに汗だくになる。

途中の展望台で休憩。お茶を分けあいながら「命の水だ」とか言い合う。ま、いよいよとなったらカブを乗り捨てて歩いて下ればいいからね。カブはスギヤマさんにバラバラに分解してもらって下ろそうとか、そんなバカ話をしていられるのも、こんな場所でも携帯の電波が届くからだ。これでは遭難なんてしようがない。オンロード組との待合せ場所である道の駅「天城越え」には予定通り着けそうにないので、電話を入れておく。

_ 14:00 峠

峠に下る道で、突然目の前を大きな生き物が横切る。……鹿だよ。なんなんだよ、もう。北海道でも狐一匹見なかったのに、今日に限って猫やら鹿やら。力が抜けてしまったので、Kentさんを待つ。鹿はあっという間に山に消えたので、残念ながらKentさんはお目にかかれず。

峠には予想通り、右に下りる道があった。ただ、ここから下の道まではとんでもない急勾配が予想される。上佐ヶ野林道をあきらめきれない我々は、この道は最後の脱出路としてキープし、行けるところまで直進してみることに。

しかし峠を過ぎれば、当然キツい登りが続く。おまけに道は森に入って、地面は腐葉土状に。とうとうタイヤがグリップしなくなり、ブレーキをかけていてもずるずると後退してしまう。崖下に落ちそうになって、Kentさんに押さえてもらう始末。あきらめよう。ここから先はトライアルの世界だ。ひと休みしてから引き返す。下りも怖い。

引き返せ〜写真ではよくわからないが、恐怖で顔が引きつっている(撮影:Kent)

なんとか下り切って、さっきの道へ。よく見ると、四輪のわだちがある。なんだ、ちゃんと車が通れるルートじゃん。やれやれ、安心した。


2001-05-26 伊豆半島ミステリーツアー[1] 厚木〜小田原

_ 前口上

ここに掲載したのは、2001年春にSUPER CUBメーリングリストのメンバーとスーパーカブでツーリングに出かけたときの記録です。

ヨーロッパをカブで周回中のTAKUさんスイスの林道で遭難しかかった話を読んで、メーリングリストでうっかり「うらやましい」なんて書いてしまったんだけど、どうやらヤツに聞かれていたらしい。まったく、誰もいないと思っていても、どこかでどこかで……つーか、ヤツって誰?

秋の林道ツアーは、寒いわ、参加者は少ないわでダメダメなので、今回は恒例の「春ツー」こと「カブメーリングリスト春のツーリング」に、林道コースを設定。行き先は伊豆半島。実は近所なのにもかかわらず、伊豆の林道には行ったことがないのだ。春ツーには総勢9人の参加者があったが、林道組はおれとKentさんの2人だけ。相変わらず寂しいが、今回に限って言えば、シロートさんがいなくてよかった。いや、ホント。

地図はツーリングマップルの関東、主要な林道は11、12ページに載っています。一泊ツーリングですが、林道に入ったのは往路のみなので、復路のレポートは書いていません(単に帰ってきただけだし)。

_ 07:30 厚木デニーズ

Kentさんと待合せ。天気がいいのでツーリングに行くバイクが多い。特に目立つのがビッグスクーター。ホントに流行ってんな。せっかくの単気筒なのにオートマなんて、もったいないと思っちゃうんだけどね、おれ的には。せめて赤い車体なら金田気分が味わえようものだが、なぜかみんな白かシルバーばっかりだし。

朝食をとって、出発。R246を西へ。今日、林道ルートで宿を目指すのはこの二人だけである。

今日の二台前から見ると良く似たKent号(左)と林道丸(右)

_ 09:00 小田原

途中、オンロード組の待合せ場所である伊勢原デニーズに一台リトルカブが止っていたので手を振ってみたけど、誰かはわからず。

秦野から南下してR1へ。小田原を過ぎて早川の手前で、後ろを走るKentさんが呼び止めるので何かと思ったら、マフラーが派手に振動していると言う。見てみると、なんとマフラーのステーがポッキリ折れている。林道丸はDAXのアップマフラーを無理矢理付けているので、ステーはバイク屋にあった適当な鉄のプレートでぶら下げてある。そのプレートが、途中できれいに折れている。当然、このまま走るわけにはいかない。これで林道に入ったら、エキパイの根元からポッキリ折れること間違いなしだ。

慌てて雑貨屋を見つけ出し、針金を購入。小田原市内で気付いてよかったよ。伊豆半島に入ったら、こう簡単に店は見つからなかっただろう。車載工具のプライヤーのボルトが行方不明とか、多少トラブルはあったけど、Kentさんの助けでなんとかなった。応急処置のわりにはなかなかいい感じ。

修理後修理前修理前(左)と修理後(右)

修理完了後、高らかに宣言する。今日のトラブルはこれで打ち留めだと。あとは楽しい林道が待ってるだけさ♪ ……もちろんこれは予兆に過ぎなかったわけだが、この時点では知るよしもない。

しかし、怪我の功名と言うか、この「針金マウント」はなかなかいい。今まで特定の回転域でかなり不快な振動があったんだけど、針金で吊ったらだいぶ静かになった。やっぱ、リジッドマウントには色々と問題があるんだのぅ。直さないでこのままにしておくか(笑)。


1999-10-24 魅惑の林道ツアー(2)篇[2]

_ 06:00

霜びっしり寝ている間は、実はそんなに寒くなかった。でも、設営にミスって地面が凸凹だったので結局寝不足ぎみ。うーむ、何年キャンプやってんだよ。しかし、寒いものは寒いので、テントやカブの上は霜と言うか氷がびっしり。風景はすっかり冬だ。ガチガチ震えながらとりあえずメシ。

_ 08:00

いい天気それでも、今日も昨日に引き続いてとってもいい天気なので、陽が射しているところはぽかぽかしてくる。さっそくテントを日なたに持ち出して乾かす。その間、和田さんは写真を撮りにカブでどっかに行ってしまった。元気な人や。その後、ちょうど8:00に出発。西に向かうのに、一本林道を走っていくことにした。

_ 09:00

破壊されたレッグシールド一回道を間違ってから入った茨沢林道。国道をバイパスしてまっすぐ西に抜けられるルートになる。最初は砂利もなく、めちゃめちゃフラットでいい道!! 快調に飛ばしていると、突然石がごろごろし始めて、ひどい道に。たしかに地図にはそう書いてあったけど、最初においしいもの見せてこれはないだろー。油断していたら大きな岩をよけそこねて、左のレッグシールドにぶち当ててしまった。前から下部が欠けていたのが、さらにひどいありさまになってしまった。このままCafe Cub Meetingに行くのか、おれは。

_ 10:00

小海駅から県道に入ってぶどう峠方面へ。こんどはおれが先導。あとは最終目的地である御荷鉾林道を目指すだけ。それにしても、林道を走っているときは緊張と興奮(?)で忘れていたけど、やっぱり寒い。もう、こればっかりだけど、寒いったら寒いのだ。道はすいているので、平均60km/hくらい出ちゃうからよけいに寒い。ぶどう峠に着いたら、有無を言わさず停止して、休憩。

_ 11:00

御荷鉾林道塩ノ沢峠から、いよいよ御荷鉾林道へ。序盤の舗装はますます延びて、この林道もそろそろ走れなくなるかも、という感じ。でも、そこそこ進むとダートが始まる。なぜかそこかしこに大きな水溜まりがあるので、例によって飛び込んで遊ぶ。ひゃっほぅ。体の方もようやく慣れてきて、そこそこのペースで飛ばせるようになってきた。やっぱ、時々走りに来ないとダメなんだなぁ。

ところが、しばらく調子良く進んでいると、ダートの途中にいきなり「通行止め」。迂回路もないところにいきなり出てきても困るし、だいたい、バイクが通れるくらいの隙間が開けてあるあたりが胡散臭い。とうぜん、そのまま突っ込む。

_ 12:00

通行不能休憩を挟んでさらに走ると、こんどは「通行不能」という看板が。「通行止め」が多いが、「通行不能」は初めてだ。でも、バイクくらいは通れるだろー、とたかをくくって進んでいくと、道が消えていた(笑)。さすがにこれは通れんわなぁ。しかたがないので、Uターン。まぁ、戻りもダートを楽しめるからいいんだけどね(ガスの残りが心もとないけど)。距離的には全行程を走破したのと同じくらいの距離を走れたようだし。でも、Renoさんが御荷鉾の出口で待ってるとか言ってなかったか?(笑)

_ 13:00

名物途中で林道を降りて、R299で秩父方面へ。今回はこれで終わり。途中、恐竜の足跡の化石を見たり、「わらじカツ丼」という、それほど感心できない小鹿野名物を食べたり。あとは和田さんを先に立てて、青梅までひたすら走る。

そこで、最後に、4速化C90比較インプレッションのまとめ。ほどほどのアップダウンのある空いた道を、ノーマルの3速C90と一緒に走ったので、両者の違いがよく見える。ゆるい登り坂で30〜40km/h出るところだと、4速マシンは2速では回りすぎ、3速ではパワー不足になるので、2速でぐいぐい登れる3速マシンに置いていかれる。でも、40km/hを超えると4速マシンがちょうど3速でパワーバンドに入る一方で3速マシンは2速にするか3速にするか迷うところなので不利になる。同じように、20〜30km/hでは4速マシンが有利、50〜60km/hでは3速マシンが有利になる。あと、4速マシンが4速に入っても、ちょっと勾配があるとパワーが足らないので、3速で走るノーマルに置いていかれる時もある。なかなか難しいものだ。スポーツライディングには、ノーマルと4速マシンの両方を合わせた6速マシンがあれば理想的?(笑) でも、そんなにせわしないミッションじゃ、ツーリングを楽しむことはできないわけで、林道に入らずにツーリングをするのなら、3速のままでもいいのかも知れない。でも、同時に給油しながら走ってみたけど、確実に4速化した方が燃費がよかったことはあげておこう。