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1996-11-30 番外篇:Cub's Meeting見聞録[1]
_ 前口上
コトの起こりは秋も深まった11月なかば。本田技研工業のWebmaster氏からメールをもらったことに始まります。なんでも鈴鹿でカブの集まりがあるので、その宣伝をかねてWebページを起こしたい、ついてはリンクを張らせてもらえないか……そんな内容でした。もちろん、一も二もなくOK。天下の(?)ホンダからリンクを張られる個人なんてそうないですよ。
とまぁ、それはそれで済んだのですが、当の「Cub's Meeting」というヤツが気になります。そうは言っても鈴鹿と言えば片道400km、カブで行くとすれば2泊3日の距離です(カブで行く以外に方法を思いつかないのか?)。ま、行けるわけがないわな、と考えていました。そうこうするうち前日の11月30日が来て、なぜか私は車上の人でした。なんでかなー(笑)。
地図には昭文社の「2輪車ツーリングマップ」、「関東」「中部」の2冊を使用。初日は、神奈川県相模原市にある自宅からスタートしています。
_ 08:00
前夜の天気予報では、今期最大の寒気団が南下、日本は12月下旬から1月上旬のの寒さとのこと。これだけで行く気なくすよなぁ……と言いつつも、キャンプ道具から何からいつもどおりの装備を積み込む。ジーンズの下に厚手のものひきを履くが、なんかファスナーがきつい……以前はこんなことなかった覚えがあるけど、気にしないことにしよう(笑)。8時ちょうどに出発。め、めっちゃさむ〜。まぁ、雨が降るとしても夜らしいし、雲は多いがところどころに晴れ間が見える。太陽が照り始めれば暖かくなるだろう。
_ 09:00
R246を西へ。伊勢原あたりでぽつぽつと来る。えぇ〜、こんな時間から雨が降るなんて言ってなかったじゃないか、うそつき〜
>河合薫@ニュースステーション。たいした降りじゃないのでそのまま走っていたけど、だんだん路面も濡れてきたので、秦野で給油のついでにカッパを着ることにする。
ちなみに今回はこういう季節の関係上、けっこう暖かいカッコウをしている。といっても最近の新素材使いまくりのライディングウェアなんて持ってないんだけどさ。上はTシャツ、ネルシャツ、セーターの上にシンサレート入りのパーカー。表面はゴアなので雨具いらず、のはず。ゴアつっても加藤紀子じゃないからね(CMネタはすぐ古びるぞ)。……とはいってもバイク用のウェアではないので隙間は多い。その上にカッパを着て風を通さないようにしようとのもくろみ。でもさすがにパンパンで、見た目はまるでミシュランのアレみたい。下はももひきとジーンズだけなので、カッパは効き目が大きい。やっぱオーバーパンツを買っておくべきだったなぁ。
_ 11:00
沼津からR1に入り、ひたすら走って清水。前回の時よりは早く動けてるかな。でも冬は日が短いからやや遅れ気味と思っていた方がいいだろう。清水の手前は海沿いの道なんだけど、風がすんごいのなんの。突風にあおられた経験は多いけど、今日みたいにそのまま転倒しそうになったことなんてないぞ。風が吹くたびにハンドルががくがく揺れて、まるでパンクでもしたかのよう。思わず力が入っちゃうけど、力を入れると余計に危ないんだよな〜。怖いよぉ。ちょっと天気悪すぎだ〜。
_ 13:00
11:30ごろから腹が減り始めてたんだけど、藤枝までひっぱってしまった。いつも思うんだけど、林道を走っていない時の昼食のタイミングって難しいよな。この時間は高校生の帰宅時間にぶち当たって、手軽に入れるファーストフード系の店がいっぱい。なんとかKFCを見つけて入ったけど、全然「FAST」じゃないのでちょっといらいら。今日はとにかく距離を稼がないといけないので、焦る。
雨は沼津の手前で上がっていて(御殿場あたりはけっこう降ってた)、今は陽がさしている。けっこう暖かくなったけど、いちど甘い汁を吸ってしまった身にはもうカッパを手放せないのであった。むれるけど(笑)。
藤枝を出たあとは、R1はなぜかだらだらと渋滞。なんでこんなに車が多い?
やっぱり距離が稼げないのでいらいらしてしまう。こんな精神状態のツーリングは良くないよなー。
_ 15:30
バイパスは風が強くてあまり使わないで来たのでちょっと時間がかかったかな。ようやく浜名湖に到着。いつもは勤め先のビルの中、ちょうど仕事も調子が出てきて外を見る余裕なんかないけど、この季節、15時回るともう夕方の気配なんだな。でも、この先泊まれそうなキャンプ場といったら前回使った蒲郡の相楽山荘キャンプ場だけしか思いつかない。浜名湖周辺で探そうにも、湖畔のキャンプ場なんて風が強くて今日はダメだろう。こうなったら行くしかっ。コンビニで夕飯買って、Go!だ。
_ 16:00
太陽と追いかけっこ状態になる。走っても走っても距離が進まないというのに8なんでや〜)、お日様はどんどんどんどん低くなる。気温も下がる。うう、やばい。……なんて状況なのに、今日に限って豊橋の町中は集中道路工事!! うがー、なんか恨みでもあるのか〜(泣)。
_ 17:00
お日様はとうとう水平線の下。相楽山のふもとに着いて、記憶に従って登っていく。と、いきなり通行止め(!)。工事中のため迂回して下さいだと。今日はいつもの「カブ・ツーリング用」アライのジェットヘルじゃなくて、(寒いので)「ドカでぶっとばす用」setaのフルフェイスなんだけど、夜間走行を考慮してないので少しスモーク入ってんだよ。暗くて怖いよ、でもシールド開けると涙ちょちょぎれちゃうよ。あ〜、もう、泊まれるなら迂回だろーと鵜飼いだろーとなんでもしたるわい(泣き入ってます)。
ほとんど暗くなって、なんとかキャンプ場に到着。やれやれ、泊めてもらえるようだ。宿舎の方に泊まってる謎の集団(なんか軍隊みたいに統率されてるけど、同時に自己開発セミナーっぽい雰囲気がただよう怪しさ)がたき火の訓練(?)をするのを横目に見ながら、手探りで設営、そして夕飯。森の中なのにまだまだ風が強くて、コンロの火が安定しない。その上ピーク1は不調だし(ただのガス欠とあとで判明。バカ)。とにもかくにも、暖まって、腹がふくれて、落ち着いた。ふう。
_ 19:00
テントの中に落ち着いて、やっとじっくり地図を見る(毎回毎回こればっか)。鈴鹿までざっと130kmもある。かなり楽観的に見積もって、3時間コース。Meetingの開始時間が9:00だから、6:00には出ないといけない(どひー)。朝飯抜きだなぁ、こりゃ。
例の集団はますます怪しい行動をとり始め、何人かがたいまつを両手に持ってバトンのように振り回す芸(?)をするをの他のメンバーがじっと見つめている。なんか怪しすぎ〜。それともサーカスの若手育成学校とか、そんなんだろうか(なわきゃねー)。そうこうするうち、男5人・女1人というアンバランスなグループが隣のサイトでキャンプをはじめた。ほっといて寝る。明日は早いぞ。
1996-05-04 世界最大のこま犬を訪ねて篇[3]
_ 07:00
夕べはわりと静かでぐっすり眠れた。うるさかったのは犬くらい。……って、なんでキャンプに犬つれてくんねん。百歩譲ってつれてくるのはいいとしても(犬は家族だし)、わざわざ犬小屋まで持ってくるなっ。
近くにテントを張っていた内気なゼファー君は福岡から神戸に上陸してきたという長旅だ。富士山と伊豆スカイラインを走りたいんだって。混んでるぞぉ、と脅しておいた:-P こっちは今日は帰るだけだ。
_ 08:10
R153を北上して塩尻に入る。コーナーの向こうに鳥居が見えて来たので、思わずふらふらと入っちゃう。なんたって、ムチャムチャ寒い。昨日はすごく暖かかったのに、さすが信州の朝は冷える。そういえば、春雪の信州篇では雪が降ったもんねぇ。今年は暖かかったんだ。ま、ともあれ、ちょっと休憩がてらこま犬を見ていこう。
その神社の名は矢彦神社。けっこう大きくて立派なこま犬。垂れ耳で、人間じみたヒゲがあって、愛敬あるっす。口に朱が入ってた痕跡がある。
なぜか、ぴったり隣に寄り添って小野神社。こっちも変わってる。変わってるこま犬ではりあってるのか? こっちは目に朱が入ってた痕跡がある。朱を入れるのは珍しいことじゃないのかもな。どちらも立派な神社で、どうして隣接してるのかは不明。矢彦は隣の辰野町、小野は塩尻市の管理らしい。
_ 09:00
諏訪湖。自宅にTel。ちょー寒いけど、薄日がさしてきたので少し暖かいくなってきた。これなら午後早いうちに帰れるかな? そばを買って帰ると約束したが、この時間だとどこの店も開いてない……。諏訪湖周辺をぐるぐるまわってみたけど、あきらめてR20を南下し始める。コンビニに寄って暖かいものを飲んでいると、兵庫から来たZZR1100とTRX850と一緒になる。関西人ツアラーがけっこう多いな。
_ 12:00
竜王。もう山梨だ。そばは諦めて、ほうとうだな(笑)。
_ 15:30
甲府のはずれの道の駅で、ほうとうを所望。これで最後の休憩だ。道の駅に始まって道の駅に終わったような。引き続いてR20を爆走。相模湖で(やっぱり)少し混んだけど、あとはR16もスムーズに流れてGoal。あー、ちょっと短かったけど、リハビリにはちょうどいいかもねー。うーん、また行きたい。
1996-05-03 世界最大のこま犬を訪ねて篇[2]
_ 07:00
昨夜21:00ごろから、風神様が大暴れをはじめる。ビョウビョウと吹く激しい風が、山のこずえを渡っていくかと思うと、いきなりテントを直撃してくれたりする。よく眠れそうなんて大うそだ、うるさくてぜんぜん眠れやしない。でもおかげですっかり乾燥、今朝は天気もいい。寒くて風が強いけど。もたもたしてたら出発が8:00になってしまった。昨日、事務所の人には「早起きだから7:00に出ますよ」なんて言っちゃったのに、これでは顔向けできないではないかっ。
R23を来た方向に戻る。途中の引馬神社でこま犬をパチリ。とりたてて変わってないけど、顔に引かれた。
_ 09:00
豊川稲荷に到着。けっこう大きい神社なんだな。有名なだけのことある。こま犬なんているわけもないが、そのかわり狐はぞろぞろいる。屋外にいる公開されているのを撮るが、実は屋内にいる写真撮影禁止の方が、しっぽの形が変だったりして面白いのだ。ずるいぞ。
_ 11:00
R1→R248へ。わき道に入って鴨田天満宮に立ち寄る。あまり期待しないで、ひょいと立ち寄った神社にこそ、いいのがいるものなんだけど、ここはその典型だな。すげー変なこま犬!! しかも牛までいるし。
……と、実は鴨田天満宮は寄り道で、本当の目的は滝山東照宮。三代将軍家光によるものとかで期待して行ったが……やっぱりなかった。そういうものだ。
_ 13:00
こうなりゃもう、わき目もふらずに世界一(のこま犬)を目指すっきゃない!! と、R1→R248。豊田市に初めて来るな。なんだ、トヨタ車なんて、そんなに走ってないんじゃん。市内全部がトヨタの信者(?)なんだと思ってたぜ。まぁ、本社ビルは御殿のようだったけど(おおげさ)。
R153→R419と入ったが、いきなり田舎になっちゃってメシ屋激減。結局お昼は、コンビニのサークルK(これだけはどこにでもある)でおにぎり。さびしい……。
_ 14:00
そのままどんどん内陸へ向かい、どんどん田舎になる。県境を越えて岐阜に入り、R419もR363にぶつかって終点……というところに目的の八王子神社。いやー、いきなり笑ったぞー。これはすごーいっ。
さすが世界一を名乗るだけのことはある。もー、でかいのなんのって、顔が見えない(笑)。でかすぎて動かせないから、設置場所に窯を作って焼いてから壊したんだな、こりゃ。平成元年っていうから、まぁ、いわゆる町起こしに過ぎないんだろうけど、ここまで来ると愛だよ、愛。感動だね。いや、マジで。
_ 15:20
あとは帰るだけ(……短い)。折り返しは中央道ルートだから、R19を行けばいいかな……と漠然と考えていたけど、ここからだとR19ではなく、R363→R257→R418→R153で飯田に抜ける方が近い。道は細いが、Cubにとっては広くても速度は一緒だ。山あいのきれいな風景と走る走る。あー、こういう風景も久しぶりだ〜。心が洗われるねぇ(すっかりじじい入ってます)。
_ 17:00
飯田市を過ぎたあたりで16:00をまわり、そろそろ宿の探しどき……なんだけど、ないねぇ……いざとなったら河原でキャンプできそうだけど、ちゃんとしたキャンプ場というと地図の上では駒ヶ根I.C.近くにかたまってるしだけ。うーん、そこまで行くっきゃないか。よーし、いっちょ飛ばすぜ(混んでるけど)。今日は山に陽が沈むので、暗くなるのが早そう。このあたりは、向こうの山に雪が見え始める(うう……)。
で、やっと着いた菅の台キャンプ場は、岩だらけの松林。おっちゃん、1500円はぼったくりやで、と思ったが、もうあたりは薄暗いので他を当たってる時間はない。泣く泣くあきらめる。おまけにファミリーがいっぱいでうるさそう。昨夜とは雲泥の差だぁ。
大阪からのにぎやかな2人連れ(ディバージョンとXT400アルティシア)と、対照的に内気な九州男児(ゼファー)といっしょになる。テントを張り始めると、頭の薄いおじさんが慌てて駆け寄ってきて、ここはキャンプ場じゃないから張っちゃ駄目だという。管理人のおっちゃんは松林の中はどこに張ってもいいとか言ってたけど、途中から隣の土地になってるらしい。こっちは張り始めたばかりだからいいものの、すっかり張り終わってた大阪の2人は泣くに泣けない。かわいそー。……なので、さっさとテントを移動してから、お茶を振る舞ってあげた。彼らはここをベースキャンプにして信州周辺を何日か回るのだそうだ。なるほど、こっちはほとんど毎日キャンプを変えるけど、そういうスタイルもあるんだな。