SUPERCUB Tourists! 〜 カブに乗って旅に出よう!

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このサイトは、ホンダの名車「スーパーカブ」を使って旅をすることをテーマにしています。主なコンテンツはツーリングレポートです。ツーリングレポートは左の一覧から。それ以外のコンテンツは上のメニューバーからたどれます。


1990-05-01 津軽・下北篇[3]

_ 05:00

うーう。10時間も寝てしもた。仲間がいないと早く寝ちゃうからなー。でも、夜になっても風がおさまらなくて、梢を駆け抜ける風の音が人の話し声に聴こえちゃったりして、夜中に何度も目が覚めた。ひとりは寂しいよ。

朝メシがないので、早々に出発。クソ寒い。

_ 07:30

盛岡に入る。ローソンを見つけて朝食。なんか、コンビニ密度が少なくて苦労するね。これからが思いやられる。

十和田湖を目指すためにR4をはずれてR282にへ。時々お日様が顔をのぞかせるけど、寒くって死にそう。これ以上着る服がない。

_ 08:30

不動の滝。北緯40゜線上らしい。地図にないけどいってみたら、これがなかなかよい滝で。水量は少ないけど、カッコは今まで見た中で一番いいんじゃないかな。大きな岩山をまっぷたつに割るかのようにまっすぐな滝が流れおちている。仙人でも出てきそうな雰囲気。

途中、七時雨山の看板が。するってぇと、イーハトーブ・トライアルはこの辺でやってるのか。すげー遠いなぁ。

_ 11:30

十和田湖。うひー、山肌に雪があるぜ。これは寒いわけだ。でも、お日様もでてルンルン気分。休憩所にて、新潟から来たdt200R氏と、店のおばあちゃんを交えておしゃべり(ときどき言葉が通じません>おばあちゃん)。

湖の見えるレストランで昼食。今日は栄養をつける覚悟(?)だったので、ステーキをおごってしまう。なんでもこの辺で漁れた和牛なんだそうな。うまい。

ここで突然、Cubとピースサインに関する考察:どうもピースをするヤツが少ない。こっちで送ってもシカトする輩までいつ始末。バイク乗りのモラル低下もここまで来たか……と思ったが。よくよく考えてみると、「普通のライダーは対向車線のCubに注意を払わない」→「そのCubが突然ピースを送ってくる」→「よく見ると、荷物を積んだツアラーらしい」→「Cubでツーリングという事実に衝撃を受ける」→「そうこうする間に通りすぎてしまう」(ううむ、またしても論理的)。完璧にシカトしてくれちゃうのは、対向がCubと認識した時点で意識の外に出してしまうヤツなんだろう。ううう……かわいそうなCubくん。……でも、ツーリング・ライダーのモラル低下ってのも事実だぜ。ピースを北海道だけの風物にするなかれ。

湖はきれい。向こうの山肌には雪があったりするし。晴れてればもっといいのに……空はどんよりと曇ってきた。降るかもしれない。

_ 13:00

奥入瀬。こりゃ、いいよ。Beautiful!! 延々10km以上にわたって、美しい渓流沿いを道が走っている。こんなところに国道を通すなんざぁ、建設省もオツなことするね。ここでもCubは本領発揮。20〜30km/hの低速走行で、流れと一緒になってゆるゆると走る。排気音が静かなので、せせらぎの音がかき消されることもない。他のバイクには絶対に真似のできない走り方。

……とはいったものの、並んで通る遊歩道を歩いてる人たちにしてみればこの国道は邪魔以外の何ものでもないだろう。渓流の風景というのは連続しているのだから「線」として楽しむべきだ。たとえCubでゆっくり走っても、「線」は切れ切れのものになってしまうのだから、車や他のバイクでは「点」としての鑑賞になる。それならない方がマシ。こういうスペースは歩行者だけに解放されるべきものだと思う。自己批判せーよ! >日本人

_ 15:00

八甲田山のふもと、酸ヶ湯温泉。うひょー、すげー、すげー。道の両側、雪の壁がそそりたってるぜー。うーん、雪国に来たんだー。感動だー。こまかいワインディングが続くので、思わず攻めてしまう。回転を落とすとパワーが出ないので、アクセルを戻さずにコーナーに突っ込み、スピード調節はRブレーキのみで。基本はリーンウィズから軽いリーンアウトで、ステップをガリガリ。調子が出るとハングオンまでやっちゃうお茶目なわたし(でも、バンク角が浅くなるので、思いのほか調子よかったりして)。ガンガン飛ばす。車をあおる。……しかし、Cubにブチ抜かれた車のドライバーは、さぞかしショックだろうなぁ。ごめんなさい。

お泊まりは酸ヶ湯の温泉宿。さすがに雪の中でテント張る根性はありましぇん。温泉に入ってさっぱりと。予約なしなので大部屋に放り込まれたけど、北海道からきたゼファー氏と同室に。「北海道にいってきます」というのには会うこと多いけど、「北海道から来ました」というのには初めて会った。道南はもう走れるのだそうだ。


1990-04-30 津軽・下北篇[2]

_ 05:00

起床。めちゃめちゃ寒いが、ワンカップのおかげでよく眠れた。この調子で寒い夜が続くようなら、酒が絶体の必需品になる。朝食後、6:30に出発。「これ以上北に行くなんて気が狂ってる」と主張する軟弱な:-)3人ともお別れ。寒いので、カッパの下をGパンの上に。もう、「カッコ悪い」なんていってらんないくらいに寒いのである。R115で福島を目指す。風が強いので、斜めに傾いて走る。

_ 07:30

福島。途中、民家もないのに一大ショッピングタウンになっているところがあった。いったいどこからの客を当て込んでいるのだろう……? 東北は不思議だ。

_ 09:00

仙台。萩の月のにほひに誘われて、駅の方へ。こんな時間だというのに、店が開いていて、しかも客がいっぱい。さすがは萩の月だぜ。4個ほど所望して、その場でかぶりつく。「うう……旨めぇぇぇぇっ。さすが本場モンは鮮度が違うゼ」(今までお土産でしか萩の月を食べたことがなかったのである)。萩の月でトリップできてしまう自分を、つくづく幸せなヤツだと思う。さて、桜も見たし、萩の月も喰ったし。これで目的は達成したな。帰ろう(ちがうって)。

しかし、風が強い。Cubの唯一の弱点がこの風。突風がくると、あっという間に対向車線までふっ飛ばされる。気が抜けないので、やたらと疲れる。

_ 11:00

途中のドライブインにて昼食。残った萩の月で腹を満たす。あぁ、このまま朝昼晩と萩の月でもかまわない(をいをい)。ここまで170km。盛岡まで行けなくはないが、風が強いので途中で探そうと思う。

_ 13:00

厳美渓(ムズカシイ字だなー)。友人のおすすめ通り、なかなかの景観。ちらっと見るだけでも価値アリ。ただし、川向こうから配達(?)されるお団子は食べられなかった。品切れだと。たしかに観光客がわんさといて、ここはまさにGWまっただなかという感じ。少し休んでから行ってみた達谷窟も、その次の中尊寺も黒山の人だかり。なんで観光地ってこうなの? とうぜんパスして先を急ぐ。どうせ最初の3日はリエゾンのつもりだったし。このラリーのスペシャル・ステージは真ン中の2日間だい!

_ 15:00

いこいの森キャンプ場。ここはひとり100円の使用料で、持ち込み1張200円。まぁ、良心的な方。ただし、昨日と同じく、この時期はまだオープンしていないので、管理所も無人。故に無断宿泊である。

途中、北上川に渡したワイアに、コイノボリがいっぱい干して:-) あった。そうかー、やっぱしGWなんだなぁ。

ところで突然、本日の桜前線状況:北上川沿いにはすばらしい桜並木があった(すでに散っているが)。厳美渓ではみごとな葉桜の下で「5月3日桜まつり」ののぼりが虚しくはためいていた。でも、この周辺はちょうど満開といったところ。……つーことは、だ。このへんは桜が咲いている程度に寒いということだ(うーん、論理的)。

ところでこのキャンプ場があるのはある人造湖のそばなんだが、地図には「貯水池」としか書かれていない。にもかかわらず周辺にはいたるところに「田瀬湖」の表記。ま、自分の住んでる湖がただの「貯水池」ぢゃ、さみしいもんね。気持ちはわかる。


1990-04-29 津軽・下北篇[1]

_ 前口上

スーパーカブで、東北2000km……というと、「ゴリラで日本一周してます」とか「スクーターで林道ツーリングに行ってきます」という類の「冒険やらう」と同一視するのが一般的傾向だろう。正直いって、ボクはこういう見方をされることが不愉快だ。

今回、日常生活からロングツーリングにまで使っていたYAMAHA SRX4を手放して、DUCATI 900SSというまさに「ツーリング向きでない」マシンに乗る羽目(?)になってから、なんとかしてツーリング専用車を手に入れようとボクは考えてきた。ツーリングにもっとも適したマシンは何か? そもそも、ツーリング・マシンに求められる条件とは何なのか? さまざまな条件を設定して、日本、いや、世界中のバイクをその「ふるい」にかけてみた。そして、ふるいのなかに最後まで残ったのが、HONDAスーパーカブ90なのだ。大真面目である。

今回のツーリングは、ゴールデンウィークの8日間を利用した「東北さい果ての旅」。基本的にテントによるキャンプ生活(ただし自炊はなし)。カブが持つツーリング適性は、これからのツーリング日記で明らかにされるだろう。では、第1日目から……。

_ 06:00

秦野発。かなりの量の荷物だが、Cubは楽々と許容する。セブンイレブンに買い物に行く程度の気軽さで出発。R246で東京を目指す。慣れた道。スイス〜イ。途中、伊勢原から雨が降り始める。あわててカッパを着る。「こうなったらヤケだっ」と、ブーツカバー、グラブカバーまで装着して完全装備に。長い旅だから、初日から濡れるのは勘弁。こうやって完璧な雨装備になると、Cubは非常に快適になる。なにしろ左手は完全にフリーだから、グローブワイパーの操作がいつでもできるのだ。

_ 07:30

都内。空いてるなー。で、R4へ。

つまんねー、単調だー。60km/hで巡行。ホントに巡行(信号がねーし……)。おまけにガラガラに空いてる……マジでGWなのかなー。実はみんなまだ会社で仕事してたりして:-) 雨は都内で本降りに。しかし、Cubだと雨もぜんぜん苦痛にならない。ざまみろ>雨

_ 11:00

宇都宮。ここまでノンストップ5時間。ものの見事に疲れていない。Cubはすごい。お日様も出てきた。カッパを脱ぐ……

_ 11:30

……と思ったらいっきなしの豪雨。おまけに雷。遠くに見える棒状の雲は竜巻でしょうか(ひぇぇ)。こなくそー。すぐさまラーメン屋に飛び込んで雨宿り。雨が上がるまで昼メシと決め込む。もうカッパ着たくないもんね。しかし、初日からラーメンかぁ? ナサケナイ……

_ 14:00

白河の関。あー、苦労した。東北というところは外国なので、白河の関でパスポートの提示を求められる……という極秘情報によってR4をはずれて目指したのだが、「目指す」は「探す」とほぼ同値。地図の距離も間違ってるぞぉ>昭文社

おまけに、どんどん寒くなるし。うー、やべー。ただでさえ着るもんが少ないってのにー。しかし、ともあれここから東北。地図も東北編に切り換える。

 白河市からR4にもどって郡山へ。猪苗代湖が今日のキャンプ予定地(ついさっき決めた)。だが、すでに300km越えてるぞぉ。とんでもねー。

_ 16:00

猪苗代湖。途中でまた降られたが、湖が見えると同時にふたたび晴れる。対岸の猪苗代湖モビレージというキャンプ場は遠いので、手近なキャンプ場を漁る。天神浜で2人のツアラーといっしょに。埼玉のXLR氏と海老名からのBROSS氏。BROSS氏は途中で抜きつ抜かれつした仲なのであった。

それにしても、桜! 満開の桜なんである! 最初は「桜前線を追っかけて」がこの旅行の目的だったのが、今年に限って異常に速く進んでしまった桜前線のためにあきらめていたのに。まさかこんなところに咲いているなんて! ワンカップを買ってきて、3人で花見としゃれこむ。途中でトランザルプ氏も合流。それにしても、やはりCub。テントを張って荷物をおろし、ちょっと買い物に……となると、すぐに地元のお買い物バイクに化けちゃうもんなー。前カゴは必須アイテムである。走行中は「すぐに取り出せる」という利点をいかしてカッパ入れになるし。

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mizu [はじめまして。私は、のんびり走りたくてmonkeyで日本一週した事があるのですが、私も同じように「ぼうけんやろう」と..]

hachikun [はじめまして。1990年〜1991年にかけてカブ90で日本一周しました。 とはいえ最初はXLR-BAJA(それも9..]