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1997-05-04 奥秩父で林道再デビュー篇[3]
_ 08:30
夕べはかなりの雨と強風だったようだ。物音を聞いていた範囲では、テントを飛ばされた人たちもいたみたい。「ビュー!!」のあとに「バタバタバタっ」ときて、そのあとしばらくして「カンカン」とペグを打つ音がするのでわかるのである(笑)。こっちは余裕で熟睡。そこそこ寒かったけど、例年ほどではない。雨さえなければこんなに過ごしやすいツーリングもはじめてだ……というのも情けない話だけど。なんでいい天気のツーリングというのはあり得ないんだろうねぇ……。
雨は7:00になるまであがらなかったので。7:30まで寝坊。起きると太ももが筋肉痛だ。くぅ〜、なんだそりゃ、情ない。太陽が出てきて、テントがかわいたので出発。近所に林道があるはずなので、まずはそこだな。最終日だけどがんがん走ったる。
しばらくうろうろして見つけた川上牧丘林道入口が冬季閉鎖。ものすごい頑丈そうな鉄のゲートでがっちり通せんぼされている。三国峠でDR250氏が言っていたのはこれか。たしかに2000m近くを通ってるなぁ。でも雪なんてどこにも見えないのにー、悔しいー。ま、しかたがない。こんどは夏に来てやる。真夏の2000m林道、さぞかし涼しいだろう(ぐふっ)。
ともあれ、西へ。別ルートの林道を使って南下することにする。
_ 09:30
信州峠を通って、本谷釜瀬林道へ。なんか地図とぜんぜん名前が違うな。なんか、このあたりの林道はまとめて「クリスタルライン」なんてなんとなく変な名前が付いている。10:00、観音峠大野山林道〜木賊峠-池の平林道。10:30、荒川林道と立て続けに林道がつながっているが、すべて全舗装。なんか観光道路みたいですな。コースは険しい絶壁に沿って走る山岳路、林の合間を縫って走る林間路、せせらぎの音を聞きながら走る渓流路……と実にバラエティに富んでいて楽しい。これで未舗装だったらなぁ……全部つなげたら、すっげー長いダートが現れるのにー。もったいないお化けが出るぞ〜 >山梨県。
_ 11:00
このま全面舗装なのがわかっているクリスタルラインを走ってもしかたがないので、いちかばちか地図には「20kmのダート」とかいてある水ヶ森林道へ。な〜んと、これが正解。観光道路から外れたとたん、いきなりフラットなダートが現れた。勾配のゆるやかないい感じの道だ。ただ、わだちが細かいウォッシュボードになっているので飛ばすときはスタンディングが必要……って言っても、ステップの上に立ち上がると太ももがそりゃもうすんげー筋肉痛なんですけど。もっと鍛えないとあかんなー、こりゃ。くぅ〜。
けっこう長くて〆には絶好な林道ですな。かなり気に入りました。特にアップダウンが少ないので、パワーのないカブでも楽しい。そういえば途中、カブに乗ったおっちゃんとすれ違った。ちらっ、と目を合わせただけ。山菜取りかな。同類だったらヤだな〜(笑)←近親憎悪?
_ 12:00
水ヶ森林道は、抜けると甲府市内にずどんと突き刺さる。これなら帰りやすい。途中にあった武田神社で、せっかくなのでこま犬を撮る。地面からの高さが3mはあろうかという巨大なこま犬だ。さすがは信玄?
甲府市内に入ってデニーズで昼食。あとはR20で帰るだけだ。
_ 16:30
帰宅。やーれやれ、お疲れさーん。やっぱ林道はいいねー。ちょっと関東周辺の林道も、これ以上舗装が進まないうちにいろいろ走っておきたいな。うん、まだ近所にもけっこうありそうだし。
1997-05-03 奥秩父で林道再デビュー篇[2]
_ 06:30
人間、トラブルに巻き込まれると、だいたい4つの段階を経て落ち着くようだ。
- パニック期: 夕べ食事のあとでPeak1に再点火しようとしたら、まったくガスが出なくなった。シューともスーとも言わない。何が起きたのかまったくわけがわからずパニック。燃料を足してみたり、そしたら入れすぎてガソリンこぼしたり、鍋のお湯をひっくり返したり……。みっともないったら。
- 神頼み期: もう暗いし、何がなんだかわからないので、とりあえずひと晩おいて様子をみることにした。寝ている間に小人さんがなんとかしてくれるかも知れない。
- 悪あがき期: 寒さ対策の日本酒をちょっとばかり呑みすぎて寝つけなかったが、6:30に起きてさっそく再点火。ぜんぜんダメ。しかたなく分解してみる。動作原理は知ってるけど、分解は初めて(機械音痴なんだよ、おれ)。バルブまで燃料が来てるのは確か。その先、ジェネレーターが目詰まりを起している。キャブで言うジェットだな、こりゃ。ナイフでつついたりポンプで空気を送ってみたりしたが、穴が小さすぎてダメ。
- あきらめ期: ここまでやって、やっとあきらめる。まぁ、夕飯を食べ終えてから壊れたことを感謝しよう。無鉛ガソリン使ってると目詰まりするって言われてたけど、まさかねぇ(まさかじゃねーって)。
_ 08:00
山荘の自販機で紅茶を買ってわびしい朝食。今夜はどうしよう。
ともあれ、気をとりなおして出発だ。御荷鉾スーパー林道に戻って西へ。雲は多いけど、天気はなんとかまだもっている。朝の林道は気持がいい。トラブルがなければもっと早い時間に走れたのにな。舗装もだいぶあったが多くはフラットで固いなダート。今日はスタンディングフォームでスムーズに走る。昨日は着座姿勢ばかりだったけど、やはりカブにはこのスタイルが合っているようだ。うーん、けっこう調子出てきたぞ。
バイクにはなぜかほとんど出あわない。途中、トレール3台のグループにぶち抜かれたくらいか。連中、60km/hは出てるぞ。こっちはせいぜい30km/h。つまり、同じ長さの林道を走っても倍楽しめるってわけね。これをお得と言わずしてなんと言おう?(笑)
道には山菜採りの中年グループがゾロゾロ。ほとんどがセダンだもんな。こういう連中を無事に通すためには舗装もやむをえずか? 道は後半にいくに従ってあれてくるがおおむね走りやすい。しかし例によって長すぎてだんだん飽きてくるのであった(笑)。50kmだもんなー。
_ 10:00
塩ノ沢峠を過ぎたあたりでとうとうポツポツ落てきた。晴れの予報ははずれても、雨の予報ははずれたためしがないなぁ。ここから先は凍結と路肩崩落のため通行どめとの看板が出ている。どちらもバイクで走る分には関係ないのでシカトして入る。眺めは悪くなり、山の中を進む。でも、こういうのも好き。林道は秋に限るって意見もあるけど、春の林道もいいもんだ。真夏のように緑の濃さは一様ではないので、山並みにいいアクセントがついている。そうこうするうち終点。いやー、長かった。でも楽しかったー。
_ 11:00
ほとんど休まずに、西へ。雨がかなりひどくなってきた。大上峠経由でR299を目指す。林道ってかいてあるけど全舗装。R299に出てからは東へ。今度は中津川林道に決めた!(そして秩父から離れていくのであった……) R299は途中でダートに分断されてる。なんで国道が途切れてるのかと不思議だったけど、これでは国道を名乗れないわけだ。雨のせいもあって道は荒れ気味。途中、CBR250Fourとすれちがう。うーん、ご愁傷様(笑)。
昼ごろ着いた上野村で、昼食&Gas。
_ 13:00
志賀坂峠から金山志賀坂林道へ。もちろん全舗装(泣)。
山あいを抜けて中津川に出たら、さぁて、超メジャー級林道だ。この中津川林道は以前、信州行きの時に通ったけどすでに忙却のかなた。おかげで新鮮だ。ここは入口からいきなりダートで、すこぶるよろしい。交通量が多いからか、整備は進んでいるけど、さすが御荷鉾に比べるとガレキが多い。スーパー級に馴れた身にはなかなか手ごたえがある……って、マジちょっと疲れてきたりして(笑)。50kmダートのあとでこれはキツい。
_ 15:00
中津川林道の頂上、三国峠着。途中から雨がひどくなり、ガスも濃くなる(雲の中に入っちゃったんだろう)。視界がほとんどなくてすげー怖い。1速でゆるゆると登った。疲れちゃったのでスタンディングもほとんどしなくなってしまった。ふひー。
峠ではDR250氏と少しおしゃべり。なんと今回、はじめてバイク乗りと話をしたことになる。なんか寂しいのう。みんなどこ行っちゃったんだろう。なんでも「5月末まで冬季閉鎖の林道があって残念でした」とのこと。どこ?って聞いたのに、わからないだって(とほー)。お互い、雨で気力が萎えていて、地図を出してまで確認しようという気が起きないのであった(笑)。標高2000m級の林道らしいけど、どこのことだろう。
_ 16:00
峠からの下りは全舗装。道の両側が白樺林になって信州に来たことを感じさせる。ところどころに山桜が混じっていて、右手に桜、左手に白樺、となかなかいい感じ。途中の集落でキャンプ場情報をしいれたのでそこに泊まることにする。おにぎりを買って(泣)、Go!
途中で南に下って、廻り目平キャンプ場。入口に仰々しいゲートがあってビビったけど、白樺林の中にあるなかなか美しくよいキャンプ場だ。立派なくせに安い。500円。
XLR250の置いてあるテントがあったので、わざわざ隣に張ったのに、中で日記をかいてる間に徹営していなくなっちゃった! まさかこの時間から帰るとはやられたぜ。今日も仲間がいない雰囲気だなぁ。関東の林道はほとんど日帰りで踏破されてしまうのでキャンプまで張るヤツはあまりいないのかもしれない。残念、いろんな人と会えるのも楽しいのに(他はファミリーばかりなのでちょっと割り込めないしねぇ)。
1997-05-02 奥秩父で林道再デビュー篇[1]
_ 前口上
同僚が転職しちゃって、いきなり2人分の仕事を抱え込むことになり、ストレスを溜めまくっていたある日、息抜きに寄った書店で手にとったのが『魅惑の林道コース』なる本。関東周辺の林道を案内したどうってことない本なんだけど、ここらで一発ストレス解消しないと死んじゃいそうだったし。ちょうど連休も近かったので行くことに。考えてみると無理やり遠くの林道ばかり走って、関東周辺はあまり視野に入れてなかった。ン年ぶりになる林道、楽しみ楽しみ。
地図には昭文社の「2輪車ツーリングマップ」、「関東」を使用。初日は、神奈川県相模原市にある自宅からスタートしています。
そうそう、関係ないけど、なんかツーリングマップルなんて新しい地図が出たみたいだけど、「タンクバッグに最適な大きさ!」なんて言っちゃってさ。うちのマシンにはタンクバッグ付かないんですけどねぇ >昭文社
_ 07:30
相模原の自宅を出発。のんびり整備してたら遅くなってしまった。雨ざらしにしていたわけでもないのに、けっこう汚い。ま、いいか。どーせ林道にはいれば泥だらけになるんだし。空はピーカン、気温も高い。GWにしてはかつてないほどのいいコンディションで、どんな格好で行けばいいのか見当がつかないくらい暖かい。まぁ、明日は雨とか言ってるけど。とりあえず秩父を目指して、R16を北へ。
夕べはあまり寝つけなかった。いわゆる遠足の前日状態ではあるが、同時に不安感もある。あんまり久しぶりに林道を走るので(5年ぶりかい、ありゃりゃ)、けっこう緊張している。それでも目覚ましが鳴る前に起きて元気に準備。でも、渋滞のR16を走っていると今度は気がゆるんであくびの連発だ。荷物の重量に慣れていないのでなんだかふらふらしてしまう。危ないったら。
_ 09:30
八王子をそれて、R16からR411に入り青梅方面へ。ここから秩父を目指す。青梅から成木街道(地図には飯能街道と書いてあるのに!)へ。
突然自家用車のすれ違いもできないくらいに道が細くなる。おやおやとたいした県道だよ、と思っていたら急に目の前が開けてR411とふたたびご対面。だぁぁ、いきなりまちがえた〜(笑)。奥多摩行ってどーするの。引きかえして北上。どこで間違えたのかも記憶にない。疲れてる上に寝不足だなぁ。わかりやすいR299を行ってもいいんだけど、こっちのほうが山深くて雰囲気いいし。
_ 12:00
R299と合流したあたりでひとやすみ。林道の途中でキャンプの可能性もあるので夕飯を買っておく。例によって、このへんではじめて周辺の地図を見る。林道と名の付いた道はけっこうこの周辺からあるみたい。いきなり御荷鉾スーパー林道に入るというのもアレなので、神流湖へのアプローチで一本抜くことにする。まずは吉田町から北へのびる城峰林道だ。……とその前にGas&昼飯。
_ 13:00
城峰林道に入る。ドキドキしますな。入っていきなり、数10メートルのダートがあって、焦る焦る。もう、ぜんぜん走れないんだもんなー、まいった。ちょっと走ればすぐに小石に乗り上げてふらふらと道の反対側へ流れる始末。こりゃぁ、ちょっと先行きが不安だ。
……が、その後は行けども行けども舗装路ばかり。だ、だまされたー(泣)。まあ、林道と名の付いた全面舗装道路に出会っても、年のせいか(?)あんまり腹も立たなくなったけどね。春の山々を見るだけでも楽しいじゃないの。山肌に所々ピンクのパッチがあたっていて、どうも山桜が咲いてるシーズンらしい。おかげで山々は、なんとも言えない淡い色合いだ。それでもいちおう周辺をウロウロして、ダートがないことを確認し、湖までおりる。湖はこのあたりの観光拠点になってるのかな、アプローチになる周辺林道を舗装するのはまぁ、しょうがないやね。御荷鉾スーパーは明日までとっておこうと思ってたけど、今日入っちゃえ。
_ 14:30
今度はさすが、入ったらいきなりダートだよ。ひひひ。全長50km、全国でおそらく3番目に長い林道だ。湖沿いの国道(いつのまにか国道になってた)と並行に走ってるこの林道は、そうそう舗装されないでしょう。じつに5年ぶりの林道なので、慎重にゆっくり走る。「スーパー」を名乗るわりにはちょっと路面が荒れてる感じがするけど、たぶんあまりに久しぶりだからそう感じるだけだろう。とちゅうで空気圧を調節したりしたけど、まだ、かつてのような走りは望むべくもないね。道幅はさすがに広い。
_ 15:30
途中ずいぶん舗装されていてがっくり。こんなとこに入ってくるのは好きものだけなんだから、いけずなことするなよぉぉぉぉ(さっきと言ってることがぜんぜん違う)。それでもけっこう疲れてきたので(まだ数kmしか走ってないよ……やれやれ)、途中にある自然の村を宿にすることにした。キャンプ場は閉鎖中だというのをおがみたおして広場にテントスペースをもらう。でも700円取られた。まぁ、静かな山の中だしいいんじゃないですか。一人で寂しいけど。