SUPERCUB Tourists! 〜 カブに乗って旅に出よう!

«前日 最新 翌日» 編集
RSS feed

1991-05-02 春雪の信州篇[2]

_ 06:30

ひとりぼっちのキャンプはすることがない。日暮れとともに寝てしまったので、夜明けとともに目が覚めてしまう。はやくも原始人的生活だなぁ。1時間ほどテントの中でうだうだしてから出発。

空はピーカン。昨夜降った様子もない。気象庁のウソつき。これで残りの日程の保証も怪しくなったというわけだ。期待していた木賊峠一帯は、工事中で入れない側をのぞいて全面舗装済み。しくしく。でもまぁ、左右に白樺林を従えてトコトコ走るのも、いいもんだな。狭い道ばっかり選んで走る。行く手には雪をかぶった山々が見えかくれしはじめる。来たぞ〜。

_ 08:30

JR最高地点駅で有名な小海線 野辺山駅。となりの清里に負けまいと、ハデな駅舎。やーめーろーよー。唯一開いていたサ店で朝食。食い終ったらパラボラ見に行くんだ〜。ワーイ。

_ 09:00

野辺山電波天文台。あこがれの45m。想像以上にでかいー。すげー。かんどーだぁ。うっうっ、来てよかった……。それにしても、ニヤニヤしながら独り言いったり、深々とため息ついたりしてるのは、はたから見てるとすげー変だったろうな。結局、40分も見学してしまった。そういえばここのスパコンはVPなんだよな。そう思うと意外と身近だなぁ(どこが)。

ちょっと東に戻って相木村方面へ。このあたりも全面舗装。あかんな、こりゃ。信州にはマトモな林道残ってないんとちゃうか? で、栗生から北相木村に抜ける道だと思い込んで入った林道が途中からスゲー急坂に。例によって1速でも上がらなくなると、Cubから降りて押すのだ。汗だくである。急峻な山の上の方にここから続く(らしい)道が見える。「あそこまで上がるのか。こりゃ、北又林道の再来かな?」などと喜んで(?)いたら、いきなり「プツッ」と道が切れた(「プツッ」ってのは血管が切れた音だったかもしれない……)。げげ。ちがう。間違えた!

こんな急坂、降りられない……けど、降りないわけいかないので(こんな南で遭難するわけにはいかんっ)死ぬ思いで下る。ひー、汗だく(こんどのは冷汗)。で、も一回まちがえてから、正しい道へ。もー、地図が変だよ〜。

_ 12:00

北相木から、何を思ったか東へ抜けて上野村へ。あー、ここも秩父だよ。信州はもっと西だってば……と、いさめて、延々10数キロのダート(うれしー)を走ってR299へ。いがいと近場なんだけど、ここは一度も走ったことがない。峠を越えると舗装路で、前方からレプリカの集団が来るので、「もうダートはないのかな?」なんて思ってると、まだまだ荒れたダートが現れたりして驚く。どーやって来たのよ? >レプリカ集団

ところでそろそろガスがない。野辺山からこっち、GSがないのだ。予備にしてしばらく走ってる。いいかげんやばい……と思ったあたりでやっとGS発見。「助かった〜」と思ったとたんにエンジン・ストップ。あ、あぶねー。ひやひや。

_ 14:00

佐久町のセブンイレブンでやっと昼食。横浜のDT200Rの2人組とおしゃべり。忘れずにタバコとライターを買う。ついでに夕食がわりのパンと缶詰も。ひもじい食生活だが、汚い格好なので普通の店に入るには気がひけてしまうのだ(まだまだ若いな。ふっ)。

_ 15:00

佐久市から東に入って妙義荒船林道あたりでキャンプ……と思ってたら、臼田に入ったところで「臼田深宇宙観測所」の看板。フラフラと吸いよせられる。だって、45mを見て64mを見ないわけにいかないじゃないか(強く主張)。しかし、片道15kmもあるって書いてある……。こんな時間に寄り道して、日が暮れても知らんぞ。

で。……ああああ。来てよかった。これはハンパじゃない……。小雪(!)舞う中で見る64m。もー、涙でちゃうよぉ。こいつがボイジャーと交信してるんだなぁ。感動だなぁ。

_ 17:00

国道を避けて志賀川ぞいに東へ。志賀つっても志賀高原とは無関係。このあたりは妙義荒船である。最初に見つけた志賀牧場のキャンプ場は無人。またタダで泊まれるかな、うひひ……と思ってうろついていると、炊事場の中に無理やりゼファーとSR400が置いてある。はて。エンジンは冷えてるが、シートに水滴。つまりさっきまで走っていたってことだ(臼田で雪が降ってたころ、ここは雨だったはず)。でも、人はいない。マ、マリー・セレスト号!?

気味が悪いので、その先の内山牧場キャンプ場へ。テント持ち込みで2500円というボッタクリに、一瞬志賀牧場に戻ろうかと思うが、面倒に思う気持ちが勝ち。

焚火あとの前にテントを張って、雨(雪?)で湿った木片を集める。あ、紙がない……。この強い風(隣の親子連れのテントが飛んだ)と雪が散らつく(パウダースノーぢゃん)中で紙なしで濡れた薪に点火しろってか……えーい、放火歴(ちがう)焚火歴15年の腕を見せてやるわいっ。……てなわけで、むずがっていた太い薪に火がついて、ようやく落ち着く。ワンカップを熱燗にして……くぅぅぅぅ。こうでなくちゃね。水くみ場には氷が張ってたりするけど(げげ)、星はきれーだし、許す!