1990-08-14 南紀林道巡り篇[3]
_ 06:00
セローたちに「明日の予定は?」と聞かれて、「さぁ。まだ地図も見てないよ」と答え、あきれられてしまったが、とりあえず今朝は水呑峠経由、大杉林道。ただし、工事中通行止めということで、セローたちは昨日は追い返されたという。だが今日からは現場もお盆休みということで人はいないはず。こっそり通れるかもしれない(無法なやつ……)。
と、思ったら! なんかハデな山崩れがあったらしく、150mにわたって高さ2mの土の山が道を塞いでいる。こりゃ、トライアルマシンでも持ってこなけりゃ通れないよ。あきらめて戻る(くそー)。林道の入口に、セローたちのために約束通り石を三つ積む。「あきらめた」の印。
このまま遠回りしてまで海に出るのもしゃくにさわるので、北へ(どういう……)。R166を通って吉野を目指すのだ。地図を見るとすでにずいぶん北に来ている。紀伊半島って意外と小さい。SIGGボトルの1リットルを足して走る。
_ 09:00
R166の高見峠。長い(と思われる)トンネルの手前に、「トンネル」と「峠」の分岐。アホか。わざわざトンネル通るヤツがおるかいな(逆だ、逆!)。でも峠の上からの眺めはGOOD! トンネルからでは楽しめない。
_ 12:00
吉野山。たいして腹はへってないが、名物の柿の葉ずしを食う。とりたてて旨いとは思わんがなぁ……。細いちょこまかした道を通って吉野山を見てまわる。Cubだから歩行者を驚かすこともない。よそ見をしながらトコトコ。のどかだなぁ。眺めもいいし。
吉野山から黒滝村に出る道を探してウロウロ。ようやく見つけたそこは、デカデカと「駐車場」の看板が。まぎらわしい!
_ 14:00
「眺めがよい」と書いてある小南峠をめざして南下。山あいの気持ちのいい1車線道路。こういう道が楽しいのもCubくらいなものだよなぁ。Cubらしく、30〜40km/hで流す。……と、いい気になってると、道がどんどん狭くなって、とうとう行き止まり。ゲゲ。黒滝川沿いに入っちまった! 引き返してなんとかルートに戻った……と思ったら、今度はR309に出てしまう。うーむ。方向音痴なヤツ。ま、いいか。行きつく先は同じだ(とかいいつつ、あきらめきれずに途中の林道に突っ込んで、行き止まりであえなく撃沈したりする)。
_ 15:30
うひーっ、寒いーっ!……と、ここは行者還林道。(2年前の)地図には全舗装間近って書いてあるので、もう全舗装されちゃってるだろうなぁ……と半ばあきらめつつ、わずかな期待を忘れない。しかし、対向車にCBR250Rが現れ、続いてトライアスロン風の自転車とすれちがうに至って、完全にあきらめる。ぶー、ぜんぜん面白くない。しかも長いので、ええかげん飽きてきた。
_ 16:30
池原ダムで泊。でも、また「発電機」と「花火」の交錯するファミリー・キャンプ場だったりして(他になかったんだもーん)。でも、隅っこの方にけっこう静かでいい場所があったので、そこにテントを張る(いい場所でもなんでもないということがわかるのは、その後のヤブ蚊の大軍攻撃にあってからである。蚊取線香で撃退したけど)。
明日はおそらく、今回の旅のメイン・イベント。高野龍神スカイラインを中心に、地図の見開きいっぱいに「ぎゃーっ」というほど林道がある。ああー、幸せ(へ、変態……)。
_ 「林道Cub」は果たして南紀の林道を征服できるのか? 気になるタペット音、少ないオイル(をいをい)、後手後手にまわる林道情報。以下、後編、乞うご期待。