SUPERCUB Tourists! 〜 カブに乗って旅に出よう!

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1990-04-29 津軽・下北篇[1]

_ 前口上

スーパーカブで、東北2000km……というと、「ゴリラで日本一周してます」とか「スクーターで林道ツーリングに行ってきます」という類の「冒険やらう」と同一視するのが一般的傾向だろう。正直いって、ボクはこういう見方をされることが不愉快だ。

今回、日常生活からロングツーリングにまで使っていたYAMAHA SRX4を手放して、DUCATI 900SSというまさに「ツーリング向きでない」マシンに乗る羽目(?)になってから、なんとかしてツーリング専用車を手に入れようとボクは考えてきた。ツーリングにもっとも適したマシンは何か? そもそも、ツーリング・マシンに求められる条件とは何なのか? さまざまな条件を設定して、日本、いや、世界中のバイクをその「ふるい」にかけてみた。そして、ふるいのなかに最後まで残ったのが、HONDAスーパーカブ90なのだ。大真面目である。

今回のツーリングは、ゴールデンウィークの8日間を利用した「東北さい果ての旅」。基本的にテントによるキャンプ生活(ただし自炊はなし)。カブが持つツーリング適性は、これからのツーリング日記で明らかにされるだろう。では、第1日目から……。

_ 06:00

秦野発。かなりの量の荷物だが、Cubは楽々と許容する。セブンイレブンに買い物に行く程度の気軽さで出発。R246で東京を目指す。慣れた道。スイス〜イ。途中、伊勢原から雨が降り始める。あわててカッパを着る。「こうなったらヤケだっ」と、ブーツカバー、グラブカバーまで装着して完全装備に。長い旅だから、初日から濡れるのは勘弁。こうやって完璧な雨装備になると、Cubは非常に快適になる。なにしろ左手は完全にフリーだから、グローブワイパーの操作がいつでもできるのだ。

_ 07:30

都内。空いてるなー。で、R4へ。

つまんねー、単調だー。60km/hで巡行。ホントに巡行(信号がねーし……)。おまけにガラガラに空いてる……マジでGWなのかなー。実はみんなまだ会社で仕事してたりして:-) 雨は都内で本降りに。しかし、Cubだと雨もぜんぜん苦痛にならない。ざまみろ>雨

_ 11:00

宇都宮。ここまでノンストップ5時間。ものの見事に疲れていない。Cubはすごい。お日様も出てきた。カッパを脱ぐ……

_ 11:30

……と思ったらいっきなしの豪雨。おまけに雷。遠くに見える棒状の雲は竜巻でしょうか(ひぇぇ)。こなくそー。すぐさまラーメン屋に飛び込んで雨宿り。雨が上がるまで昼メシと決め込む。もうカッパ着たくないもんね。しかし、初日からラーメンかぁ? ナサケナイ……

_ 14:00

白河の関。あー、苦労した。東北というところは外国なので、白河の関でパスポートの提示を求められる……という極秘情報によってR4をはずれて目指したのだが、「目指す」は「探す」とほぼ同値。地図の距離も間違ってるぞぉ>昭文社

おまけに、どんどん寒くなるし。うー、やべー。ただでさえ着るもんが少ないってのにー。しかし、ともあれここから東北。地図も東北編に切り換える。

 白河市からR4にもどって郡山へ。猪苗代湖が今日のキャンプ予定地(ついさっき決めた)。だが、すでに300km越えてるぞぉ。とんでもねー。

_ 16:00

猪苗代湖。途中でまた降られたが、湖が見えると同時にふたたび晴れる。対岸の猪苗代湖モビレージというキャンプ場は遠いので、手近なキャンプ場を漁る。天神浜で2人のツアラーといっしょに。埼玉のXLR氏と海老名からのBROSS氏。BROSS氏は途中で抜きつ抜かれつした仲なのであった。

それにしても、桜! 満開の桜なんである! 最初は「桜前線を追っかけて」がこの旅行の目的だったのが、今年に限って異常に速く進んでしまった桜前線のためにあきらめていたのに。まさかこんなところに咲いているなんて! ワンカップを買ってきて、3人で花見としゃれこむ。途中でトランザルプ氏も合流。それにしても、やはりCub。テントを張って荷物をおろし、ちょっと買い物に……となると、すぐに地元のお買い物バイクに化けちゃうもんなー。前カゴは必須アイテムである。走行中は「すぐに取り出せる」という利点をいかしてカッパ入れになるし。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]
mizu (2005-07-29 04:05)

はじめまして。私は、のんびり走りたくてmonkeyで日本一週した事があるのですが、私も同じように「ぼうけんやろう」と思われるのは好きではないですが、人が一般の意見ではしょうがないと思いますよ。
なにせ、評価するのは人ですから...

カブ、monkey、KSR等の小型排気量での林道もしくはロングツーリングは一般的には「キワモノ」扱いですし普通は、発想程度で実施するのは変わり者というレッテルを貼られますけど、人それぞれ決まりがあると思いますけど、私の場合は「燃費」「走破性」「低経費」です。

まぁ、それ以外で大型乗りで暇つぶし程度に遊びでやっている人は結構いると思いますけどね。
まぁ、結局のところ「ぼうけんやろう」と言われても楽しければ良いのではないでしょうか?

hachikun (2005-12-11 11:07)

はじめまして。1990年〜1991年にかけてカブ90で日本一周しました。

とはいえ最初はXLR-BAJA(それも90年型)で走ってたんです。この旅のために買ったのですが、はっきりいって長期旅行だとデメリットが多く感じた。で、思いきって旅の途中でかつての行き着けのバイク屋に頼み、BAJAから乗り換えたいので手配してほしいとお願いして乗り換えました。
だって、

・長旅で80kmも100kmも出さない。(私の場合は60〜70kmくらいが"上限"でした)
・BAJAじゃ積載性に限界がある。
 (当時の日本一周ライダーでサブフレームの曲がってる奴けっこう居ました。当時のウイング店の話では、XLRのサブフレームには保安装備を支える程度の強度しかなく(XRのサブフレームにぺらぺらの鉄板一枚追加しただけ)、だからキャリアも純正では作ってないという事でした)
・こげなごっついサスはいらない。
 (私のペースと走りかたでは、むしろ気軽に乗り降りできて寄り道しやすい方がいい)
・部品待ちで十日とかキャンプ場で待つのはもう結構です。
 (90年夏の北海道はXLRが文字どおり掃いて捨てるほど走ってました。ちょうど林道ツーリングブームの頃でしたし。最盛期の田舎では消耗部品がなくなり、ブレーキパッド一枚のために札幌から取り寄せで最大二週間待たされるケースも発生していました)。

こんな理由で乗り換えました。XLRがまだ新しかったのと知ってるお店のご好意で、ほとんど追加予算なしでカブ90デラックス(HA02)+プレスカブキャリア+CT110予備タンクというまさに注文通りの長距離仕様をこしらえてくれました。当時、CT110のタンクは結構入手困難で大変だったはずなのに……。当時のウイング店の皆さんには本当に感謝しています。

結果としては大正解。荷物は乗るわラクチンだわ燃料は喰わないわ、礼文や石垣島でも部品に困る事もなく、西表すら安心して走れました。その経験から『長旅にはカブのように長く作られててどこでも保守できる頑丈なバイクが一番』と痛感しました。

また、カブには「地元のひとが親近感をもってくれる」という最強のメリットもありますよね。いかつい警官も「おまわりさん」になってくれました。
小さなバイクには「一般人に心理的圧迫感を与えない」というメリットがあるのをこれで知りました。

ですが、mizuさんもおっしゃられているように一般のひとはそんな事わからないのでしょう。
カブは「ちょっと乗ってみた」くらいでは「スクーターより遅いしブレーキはあれだし、なんかうるさいし」みたいな印象しか持たれないことが多いじゃないですか。実際カブをけなす人の多くはその点を言います。私もBAJAからの乗り換えだったわけですが、最初の20kmくらいは正直「こりゃ大失敗か」と真っ青になりました。そりゃそうだ。だってXLRのサスとブレーキとではいくらなんでも比較にならない。カブもXLRもそんな比較は心外でしょう。
ですが、100km、200kmと走っているとわかりました。のんびりペースでゆったり走るのに慣れてしまうと、これが実に快適かつ充分なんだと。文字どおり給油を忘れかけて大慌てしたり、それからは楽しいツーリング生活が待っていました。

長文、失礼しました。では。